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「じゃあこの荷物運べばいいのね。そういや高嗣は?」
「鑑定に必要なもの取りにいってる」
「じゃあ奥まで運ぶか、今日オーナーはお忙しいみたいでいないけど、空いてるんだよね」
「いつでも使っていいって言ってたよ」
私たちはダンボールを一番奥の部屋まで運び込んだ。
というかこの部屋凄い。
ライティングも凝ってて奥には大きな水槽の壁がある。
「この部屋の内装ニカがやったんだよ」
「へえ素敵」
こんなセンスもあるんだなと感心する。
「ニカと千ちゃんとは昔からのお知り合いだけど、知らなかったんだ」
「西谷ちゃんは本当に一般人だから。これまでの俺たちの活動に関係なかったし」
「そう。言う必要がなかったから言わなかっただけ」
ニカもやって来た。
「宮も玉も忙しいって聞いたけど、ワッターは?」
「渉は行けたら行くってさ」
「OK。……で、話の続きだけど、これまで西谷が俺たちの活動に関わってこなかったから言わなかった。急に任務とかでスケジュール調整をお願いすることはあったから不思議に思われてただろうけど」
「うん、思ってた」
「でも今回は西谷の実のおじいさんが謎を残してきた。この際知ってもらおうか」
ニカはノートパソコンを広げた。
「実の?」
「はい。私の実の祖父母は母の高校卒業と同時に離婚しまして、祖母はその後再婚したので私には祖父が二人いるんです」
私は藤ヶ谷さんに説明する。
「で、その実の祖父が亡くなり、祖父は独りだったみたいで、母に連絡がいき、売れる物があればとそういうのに詳しいニカが友達の私にお願いしてきました」
「家財道具も特にこれといったものがなかったんだけど、最後に屋根裏部屋を見たらこれらのダンボール箱があってびっくり、中を一つ見てびっくり。で、ガヤたちに声をかけたわけ。皆で全部の箱開けてくれない?」
「うん」
言われた通り箱を開ければ宝石のようなものの他に、小刀のようなもの、伝統工芸品のようなもの、高級ブランドのアイテムのようなもの、有名絵画のようなものなどが入ってた。
「なんじゃこりゃ」
「おじいさんは何の職業を?」
「会社員だったと聞いてます」
「じゃあその裏で偽物を売ってた?」
「もしくはその逆とか?」
ニカはフフンと笑った。
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作者名:ユタカ2 x他1人 | 作成日時:2023年12月17日 11時