C'monova (ページ5)

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「その弁護士、一部では悪徳と言われているんですが、なぜか顧客が絶えないんですよね。ご両親の遺産がどうなっているかもこの人物が握っていると思いませんか？」

「話の流れ的には……」

「宮田がこう言うから少しAちゃんに関して探りを入れたの。すると社長がAちゃんのおじい様おばあ様は寛大なように見えてゆくゆくは君のネームバリューを利用するつもりなんじゃと危惧してたようで」

「えっ……」

「Aちゃんが契約するとき当然保護者と事務所は話したでしょ。その時にやたらAちゃんが売れることを気にしてたって。保護者だったらまず心配が先に立つかなと思うんだけど」

「…………」

「だからAちゃんに声をかけた。そしたら俺たちの予想通りだった」

「僕たちは北村さんの力になりたいです。いかがですか？」

藤ヶ谷さんの問いかけに皆さんが私を見る。

「もし両親の遺品の所在が分かれば取り返してくれるんですか？」

「お約束します」

私は今とんでもないことに足を踏み入れようとしている。
だけど親の形見が何もないのは辛い。
私は皆さんの顔を見る。

「よろしくお願いいたします」

「俺たちに任せて」

そう言って玉森さんは笑顔を見せた。

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