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「西谷のおじいさんって何してた人なの？」
「普通に会社勤めしてたみたいだよ。でもあまり家庭を顧みなかったから離婚したんだってお母さんは言ってた」
「面識はあったの？」
「何回か。でもはっきりとは覚えてない」
「価値のある物があればいいけど」
そんな話をしながら祖父の家に辿り着く。
「ゴミ屋敷ってわけじゃなさそうだね」
「だね」
私は母からもらった鍵でドアを開けた。
主のいない家は怖いぐらいひっそりとしていた。
「俺は家財道具を見てくから西谷は明らかにゴミそうなものを片付けといて」
「分かった」
祖父の家は一軒家だった。
1階はLDKと風呂と脱衣所とトイレ、2階は3部屋あった。
母に連絡があったということは離婚後は一人だったのだろうか。
どういうふうに亡くなったかは知らないけど、誰にも看取られなかったとしたらもの悲しい気持ちになる。
私は日用品や消耗品を中心に見ていってニカは家財道具を見ていった。
所々で休憩を挟みながら見ていったら夕方近くになっていた。
「西谷のお母さんが喜びそうなほどの価値ある物はないかな」
「だね。私からリサイクル業者さんに連絡するね」
「よろしく。あとは……ここか」
「うん」
私たちは天井を見上げる。
祖父の寝室と思しき部屋の天井には屋根裏部屋と思われる扉がついていた。
「ニカ、高所恐怖症だよね」
「これぐらい平気」
ニカは脚立を使って扉をスライドさせる。
「支えといてよ」
ニカはひょいと屋根裏に上がった。
「何かあった？」
「何だこれ。下に下ろすから床に置いてくれる？」
「OK」
ニカはダンボール箱を渡されたので受け取る。
「似たような箱がめっちゃあるんだけど。重たいから気を付けて」
「うん」
ニカから渡された箱は20箱あった。
ニカは埃まみれで降りる。
「何これ？」
「さあな。一つ開けてみるか」
試しに一つ開けてみる。
中は宝石のようなものが入っていた。
ようなものと表現したのは偽物のように見えたからだ。
「これは調べ甲斐がありそうだな」
そう言ってニカはスマホを取り出した。
誰かに電話するようだ。
「もしもし千賀？手伝って欲しいことがあるんだけど」
お相手は私もよく知っている千ちゃんのようだ。
ニカと千ちゃんは小学生の時からの親友同士だ。
千ちゃんはインフルエンサーとして活動してて私もフォローしている。
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＊→←いつだって足りない Must be a lie 大抵は贋作
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作者名：ユタカ２ x他1人 | 作成日時：2023年12月17日 11時
