* ページ37
・
二階堂さんもまた手をかざせばドアから音が鳴り、カチャリとロックのかかった音がした。
「二人は器用だよね。俺は出来てもぶっ放すぐらいだもん」
「でも玉から聞いたよ。依頼人に襲ってきた犯人を攻撃したって」
「あの時はもう必死よ。殺されかけたんだもん、彼女」
「あの……何かの手品ですか?」
「いえ、超能力です」
3人はハモって笑顔で言った。
「超能力……?」
頭の中がクエスチョンマークでいっぱいだった。
「俺たち物心着いたときからあんなふうに電気を使って色々できるんです」
「はあ……」
できるんですと言われても戸惑うしかない。
「というわけで……これ。後で捜査に使うからワッターに渡さなきゃいけないんだけど、その超能力を使って俺とニカで取り返しました。古川さんの絵」
千賀さんが物陰から出してきたのは盗まれた私の作品。
だけど……。
「ズタボロ……」
ナイフか何かで何ヶ所も切られていた。
他人が手塩にかけた作品を何だと思っているのか……。
「古川さん……」
「はい……」
「新しい作品たくさん作っていきましょう」
また千賀さんに真っ直ぐ見られる。
「これ以上の作品をじゃんじゃん作りましょう。俺、古川さんとの企画展マジで楽しみなんです」
「それは私もです」
同じ作品は二度と作れない。
だから今以上の作品をたくさん作って、誰にも邪魔されないぐらい有名になってやろうと改めて思った。
「それと……これらのことは内密で」
「それはもちろんです。誰にも言いません」
それに……秘密を共有することになっちゃったけど、こんなにキラキラとした人と作品を作れるかと思うとだいぶ企画展に張り合いが出るなって秘かに私は思うのだった。
・
49人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユタカ2 x他1人 | 作成日時:2023年12月17日 11時