＊ ページ32
・
「うん、鋭いですね。あまりにも酷かったら開示請求してもらって裁いてもらうという手はありますけど、まあ大概のことは無視が基本ですね」
「アンチのためにやってるわけじゃないもんね。俺のことを少しでも好いてくれる人たちのためにやってて、もっと言うと自分のためだけにやってるもんね」
「そうそう。俺最初はスカウトされてモデル始めたけどだんだん楽しくなっちゃって」
「俺も自己表現の場としてインスタやYouTubeやってて、そしたら反響をもらって今に至るというか。古川さんはどうですか？」
「私もです」
私は子供の時から絵を描くことが好きで、それを自分だけで完結させるのはと思ってSNSに上げていったら反響をいただいて今ではアーティストなんて名乗らせてもらっている。
忘れてた、好きだから描きたいって気持ちを。
ありがたいことにずっと制作に追われていたから。
「好きって気持ち大事にしたいですね」
「ですね」
「それはそれとして、まずはこんな下らないことを考えてる奴をどうにかしないと」
「……ですね」
私も千賀さんも安心安全な制作現場にしないといけない。
そう思ってたら玉森さんの電話が鳴った。
「もしもし？宮田さん？……OK、分かった、伝えとく。……残念、俺は仕事。……じゃあね」
お相手は宮田さんのようだった。
「夜『C'monova』に来てだって。俺とガヤは仕事で行けないから4人でよろ。古川さんは行けますか？」
「はい、大丈夫です」
「じゃあ俺は仕事があるから」
「じゃあね」
「ありがとうございました」
玉森さんは去っていった。
お忙しいはずなのに来てくれたんだ。
「玉、人気芸能人だけどこうしてやむを得ない時以外はこうして来てくれるんですよね」
「優しいんですね」
「うん、皆優しくて良い奴」
そう言って千賀さんは胸を張る。
だいぶ千賀さんと打ち解けてきて思ったけど、この方可愛らしい方だな。
「いつもあのお店に集まってるんですか？」
「はい」
「誰かのお店なんですか？」
「はい、宮がオーナーで」
「えっ？宮田さんが？」
確かに仕事ができそうな雰囲気はしてたけど。
「意外な感じしますよね。あいつが一番色々やってて俺たちも把握しきれてないです」
「6人で活動を？」
「はい。ずっと6人でやってます」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 49人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユタカ２ x他1人 | 作成日時：2023年12月17日 11時
