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「単純に考えればお二人どちらかのファンになるんだろうな」
「厄介なファンはどの人にもいるからね。俺にも事あるごとに変な手紙送りつけてくる人がいるし」
「玉、その人調べようか」
「公私混同しないで下さーい」
「有名人は大変だね。俺は一般人だからそうした有名税はないけどさ」
「俺も一般人だからなあ」
「宮田さんが一般人というのは無理あるんじゃ」
「だな」
「宮は顔は出してないけどあちこちで名前は出してるじゃん」
「俺は少し協力させてもらってるだけだから」
へえそうなんだと思いながら宮田さんの名前を検索した。
確かに宮田俊哉さんという名前はあちこちで引っ掛かる。
「まあ有名税という言葉がどうかと思うけど。有名人だろうが一般人だろうが人に何かしていいわけじゃないし」
宮田さんの言葉は尤もだった。
「話戻るけど、発表があった後入れられてるわけだからお二人どちらかの厄介なファンがやったと見る向きが普通だろうし、その方向性も調べますけど、あとはそちらのスタッフさんたちも疑わないといけません」
「やっぱそうだよねえ」
千賀さんは苦笑を漏らす。
宮田さんは怖い事をおっしゃる。
「どの仕事においても守秘義務がつきものなんですが、中にはそれを破る人やそれを悪用しちゃう人がいますからね」
「確かに私の情報も千賀さんの情報もスタッフさんは持ってますね。むしろ調べる労力は必要ないですもんね……」
「古川さんはあまり疑心暗鬼にならないように。悟られてもあれなので。疑うのは僕たちがやるので」
「はい……」
そう言われても信じられなくなっちゃうのが人間というもので。私自身もなんとなくの目星はつけてみようかなと考える。
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作者名:ユタカ2 x他1人 | 作成日時:2023年12月17日 11時