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私たちが今考えていることは企画展だ。
それぞれのエッセンスが入った作品を展示したり、私と千賀さんの新作を出したりといったことが予定されている。
企画展の開催は半年後。
私たちはそれまでに作品を完成させる必要がある。
と同時に気にかかってることがある。
先週コラボさせていただくことを発表してから届いているあれたちだ。
普通は狂言と片付けるだろうけど2日に1回のペースで届けられてると困ってしまう。
いい加減誰かに相談しようかと思いながら打ち合わせをする。
それが終わったので制作するために帰るかと立ち上がったところ。
「古川さんちょっといいですか？」
「はい」
千賀さんに呼ばれたのでついていく。
2階の奥まで進んでいく。
「アトリエ広いですね」
「ここ自宅も兼ねてるんで。大胆に買って改築しなよって友人たちが言ってくれたのもあって」
「へえ、ところで何か私に用ですか？」
「あのですね……」
そう言いながら千賀さんはポケットから名刺サイズの黒い紙を取り出した。
紙には住所のみが記されていた。
「古川さん何かお悩みありますよね？」
「えっ？」
何で分かったんだろうと思いながらその紙を受け取ってしまう。
「もしかしたら古川さんのお悩み解決できるかもしれません」
「あの、こちらは……」
「秘密裏に話をするのにうってつけの所です。今晩僕いるんでよろしかったら。念のため気を付けて来て下さい」
「えっと……」
どうしたものかと思っていたら。
「千賀、ここにいた」
後ろから声がしたので振り向く。
涙ぼくろが目についた。
「悪い、お邪魔した？」
「そんなんじゃないってば。古川さん、紹介します。俺の小学生の時からの友人の二階堂高嗣です。鑑定士をやってるんです。たまにこうして勝手に僕ん家来るんです」
「来てもいいって言ったのは千賀だろ。初めまして」
「初めまして。古川Aと申します」
「ああ、千賀のコラボ相手の。……それ」
二階堂さんは紙を指差した。
「今渡してたところだったの」
「なるほど。俺も行くわ。あとは？」
「宮も。あと宮がいるってことは玉も来る」
「ひとまずはそれでいいか」
なんだか勝手に進められてる会話。
私行かなきゃいけないの？
「実は……僕の所にこういうものが届いてまして」
千賀さんがこっそり見せてくれたものは私も知ってるものだった。
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作者名：ユタカ２ x他1人 | 作成日時：2023年12月17日 11時
