導いてあげるよ心震わすShowさあ扉開いて ページ25
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私の自宅のポストを覗けばまた入っていた。
勘弁してよと思いつつ捨てられないのでそれをテーブルに置くしかない。
こんなことしてる場合じゃないんだよとスムージーを飲んで、バッチリメイクをして、出かける。
今日は顔の良い人に会うんだからせめて顔だけでも良くないと。
着いたのはその人のアトリエ。
古民家をリノベーションして作られたみたいで今時だなといつも思う。
「こんにちは」
「こんにちは、古川さん」
いつ見ても綺麗な人だなと思うこの人は千賀健永さん。
美容やアートの分野で活躍されているインフルエンサーだ。
会議室のようなスペースには既に他のスタッフさんもいらっしゃったので挨拶をして着席する。
あー私のことを話してなかったですね。
私は一丁前にアーティストを名乗らせてもらってます。
ありがたいことに色々なイベントやコラボレーション相手としてご指名いただき充実した毎日を送っています。
そして今回のコラボレーションの相手がその千賀さんなのです。
私の仕事の窓口にしている事務所の方が千賀さんの作品を見て今回の企画を依頼したところ、千賀さんサイドが快諾して下さってこの度実現した。
今日はその打ち合わせで、千賀さんのアトリエにやって来たのだ。
「今日はお一人なんですね」
「はい」
千賀さんに声をかけられる。
これまでの打ち合わせは業務提携をしている事務所の方の、私のマネージャーをして下さっている水上万里さんも一緒だったから。
「今日は水上さん、別のお仕事があって。担当してる私だけじゃないんで」
「あーそうなんですね」
「そういえば千賀さんってどこかの事務所と業務提携してるんですか?」
「はい、一応」
千賀さんは有名な事務所の名を言った。
「そこって有名な所じゃないですか」
「友達にモデルやってる奴がいて、そいつの伝手で。あくまで窓口にしてるだけなんですけど。今日は話を聞きに事務所の方に来てもらってます」
だから初めて見る人がいるんだなと思った。
申し遅れたので自己紹介をする。
その方は木原伸明さんというらしい。
「古川さんは丁寧ですね」
「そうですか?でもどこでご縁ができるか分からないじゃないですか」
「それもそうですね」
千賀さんは腕時計を見てそろそろ始めましょうかと声をかけた。
打ち合わせが始まる。
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作者名:ユタカ2 x他1人 | 作成日時:2023年12月17日 11時