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「そのカード、取り返せるとしたらどうしますか？」
「……取り返せるものなんですか？」
「僕たち、誰かの大事な物を正当な持ち主の所にお返しするという活動をしているんです」
「えっ……？」
昨日から何回えっ？って言ってるんだろうか。
それぐらい驚くことが多すぎる。
「くれぐれも他言無用でお願いしたいんですけど、僕も一ヲタクとしてこの事件が気になってまして」
「はあ……」
宮田さんってマジで何者なんだ？とまたクエスチョンマークが増えていく。
「一人のヲタクとして看過できない由々しき事態だなと思いまして本格的に調べようと思ってます。そんな中今日高塚さんにお会いして、高塚さんの表情が暗かったのでもしやと思い、お声がけしました」
「はい……」
「社長にもこの話はしてます。何だったらうちの社員をいくらでも貸すという言質もいただきました。高塚さんご協力いただけますか？」
「それで犯人を捕まえることはできるんですか？」
「できますよ」
こう言ったのは玉森さんだ。
「僕たちだったら絶対にね」
「僕たちのなかまに窃盗事件を担当している刑事もいるんです。だから不届き者を罪に問えます」
それってと思いつつ私はお二人を等分に見る。
この方たちなら任せていい気がした。
「だったら協力させて下さい。私のカードはこの際どうだっていいです。コンテンツをぐちゃぐちゃにしている人を捕まえて下さい」
私だって一人のヲタクとしてこの事態に憤っているんだ。
すると宮田さんは目を細めた。
「お約束します。犯人をとっ捕まえて、そして高塚さんのカードを取り返します」
私はお二人に乗ることにした。
「つきましてはカードがなくなったときの状況を教えてもらいたいです」
宮田さんはノートパソコンを広げた。
「先週カードのイベントがありまして」
「それ僕も行きたかったんですけど、別の仕事が入って行けなかったんですよ」
「私もゲームに参加するためにデッキを持ってきてました。その中にはそのレアカードが含んでました」
宮田さんは私の言葉を打ち込んでいるようだった。
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作者名：ユタカ２ x他1人 | 作成日時：2023年12月17日 11時
