* ページ14
・
「これは……?」
「もしかしたら高塚さんのお悩み解決してくれるかもしれません」
「えっ?」
受け取った黒い名刺には白い文字で住所のみが書いてあった。
「明日の夜空いてますか?」
「空いてますけど……」
「じゃあこちらに来て下さい。僕もいるんで。あっ念のため気を付けて下さい」
「えっと……」
じゃあお疲れ様ですと爽やかに言って宮田さんは去ってしまわれた。
「…………」
普通はこんな誘い断るだろう。
だけど私が悩んでいることを言い当てられてしまって、少なからず私は宮田さんのことを悪く思っていないので……私はその紙を捨てられなかった。
ゆえに私は翌日仕事終わりにその住所を訪ねてしまった。
着いたのは大人の隠れ家的なバーだった。
看板には『C'monova』と書いてある。
本当にここかしら?という気持ちとこういう店に入ったことがないから入っていいものかと右往左往してしまう。
するとドアが開いた。
「ごめんね、高塚さん。入りにくかったでしょ?」
現れたのは宮田さん。
昨日とは違い、ピアスやピンキーリングをしている。
「すみません、こういうところに来るの初めてで」
「僕の方こそ。でも話すのにはここがうってつけなんだよね。入って」
宮田さんに導かれて中に入る。
完全個室の店のようだ。
「こちらは……」
「えっと、僕がオーナーをやってる店です」
「えっ?」
宮田さんって謎な人だなとますます思った。
「あっかしこまらないで。友達と集まれる場所を作ろうってなったらこうなっちゃっただけだから。高塚さんも良かったら利用してみて下さい」
「はい……」
果たしておいくらするんでしょうかと思いながら宮田さんについていく。
一番奥の部屋に案内される。
部屋の中に圧倒される。
部屋の奥には大きな水槽が広がっていて、青が眩しい。
ライティングも凝っていて、恐らくVIPルームだろうなと思った。
「彼女が宮田さんのお客さん?」
中には既に1人いらっしゃった。
あれ?この方見たことある。
「……玉森さん?モデルの」
「おー玉すっかり有名人だね」
「はい、玉森裕太です」
「ご友人なんですか?」
「はい。中学時代からの親友なんです」
「そうなんですか」
ますます謎が深まったが、おかけになってと言われたので高級そうなソファに座る。
・
49人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユタカ2 x他1人 | 作成日時:2023年12月17日 11時