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そしてくっついてくるんだからどうしましょう。
なんて思ってたら。
「A、電話」
「ん……はい」
Aはスマホを手に取って俺に見せるようにしてスピーカーを押した。
北やんからだった。
「A、おはようさん」
「おはよう」
「おっはー」
なんと横尾さんと玉もいる。
まあ3人は同居してるから。
「おはよう」
「A、今日は休みでいいから」
「うん、ありがとう」
「ところで、今誰と一緒にいる?」
ああ、そういうことねと閃いてしまった。
「さてはガヤさんから連絡あったでしょ」
「おう、宮っち。まあそういうこと」
北やんも嬉しそうな声。
なんか後ろの方で拍手の音が聞こえるし。
「おめでとさん」
「赤飯炊いとかなきゃ」
「宮っちと付き合ってようが俺はAから癒してもらうぞ」
三者三様なお言葉。
Aを見ると、あっこれは。
「もう皆して。恥ずかしくて死にそう。このままニカちゃんと千ちゃんにも伝わって……じゃあねお三方!」
Aは電話を切った。
「えっと……私寝てたから分からないんだけど、ガヤさんが電話してきて?」
「そう。で、即バレして皆に筒抜け」
「どうしてガヤさんはそういう話に」
「俺ガヤさんに発破かけられたの」
「そうだったんだ」
「うん。ガヤさんに感謝だな」
俺はAの手を取る。
「あのさ、A」
「はい」
「俺と付き合って下さい」
「……はい」
その指先にキスをする。
そしてそのまま唇にも。
その勢いで彼女を仰向けにして。
「俊くん、時間いいの?」
「ガヤさんが午後からにしてくれたから。大丈夫だよ」
「うん……」
その後は時間の許す限り甘い時間を過ごした。
しばらくは皆に弄られるんだろうなと思いながら、でも皆のおかげだよなと思いながら。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年11月22日 15時