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「宮田さん」
「加用さんどうも」
「宮城県警の国枝です」
「警視庁から参りました宮田です」
「ニカ見えるか？」
「宮城県警捜査一課警部って書いてある」
ニカちゃんの目ってこういうときにも便利なのね。
「A、隣の人は？」
「昨日お世話になった駐在さん。素直な方っぽくて俊くんが垂らしてた」
私は話しながら耳は俊くんの方へ向ける。
「杉山さんのお宅を捜索しましたところ、確かに争った形跡がありました。ですがこれといって犯人を示す証拠は見つかりませんでした」
「はい」
だろうねと私も思った。
俊くんも同じように感じただろう。
「次に宮田さんが発見された包丁ですが、タオルに付着していた血液を調べたところ、とある未解決事件の被害者のものと一致しました」
俊くんが資料を手に取る。
「……中舘栄人くん」
俊くんの呟いた名前にみっくんの口角が少し上がった。
「10年前に起きた殺人事件です。当時10歳の男の子が殺されました。福岡県警は必死に捜査したそうですが、遺留品や証言が少なく未解決のままでした」
「その事件に使われたと見られる凶器が出てきたということですか」
「になりますね」
「10年前って杉山さんが地元に帰ってきた頃ですよ」
加用さんは何かが弾けるように言った。
「話の筋は通りますね」
「最後に防犯カメラに映っていたり、近所の方の話に出ていた2人組については、すみません、まだ割り出せてなくて」
「そうですか」
「分かり次第連絡いたします」
「こちらこそご協力いただきありがとうございました」
わりとあっさりと情報提供の時間が終わった。
加用さんと国枝さんは帰っていく。
「……皆どう思った？あっスピーカーONにしといたよ」
「お前はどう思ったよ」
「国枝警部は嘘をついている」
「……とっとと部屋に戻ってこい」
「了解」
しばらくして俊くんは部屋に戻ってきた。
「A、ただいま」
「おかえり」
俊くんは私の隣に座る。
「さすがに心を読んだわけね」
みっくんはさっきから大胆不敵に笑ってる。
「そりゃするでしょ、初対面の人なんだし。ガッツリ警視庁の奴らにタダで情報渡すもんかって思ってた」
俊くんの声には呆れが入っていた。
「でもこちらはちゃんと掴んでいるでしょ？」
「もちろん」
玉ちゃんがタブレットを見せる。
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作者名：ユタカ２ | 作成日時：2023年11月22日 15時
