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「金融って言ってるから金の貸し借り?」
「さすがの俺の技術でも契約書の内容は不鮮明でさ。ニカ呼んだ」
「仕事が早い。そっかニカちゃんの目なら」
「あとこれは別の部屋の映像ね」
玉ちゃんが見せてくれたものには6人の男女がリスト片手も電話をかけてる場面だった。
「これってかけ子?」
「か、そういうセールスか」
「どっちにしたってこの光景怪しさいっぱい」
「続いてこの奥村を追ってみました」
次に見せてくれた映像は奥村がみっくんが見たことあるという人物に何か書類を渡しているのが映っていた。
「何で私こんな怪しさしかない男と付き合ってたの?」
「知らん」
「A、中高の男は平気?俺が調べようか?」
「俊くん職権乱用してるよ」
心配してくれるのは嬉しいけどね。
「来たぞ」
するとニカちゃんがやって来た。
「宮、今日非番?」
「うん。たまたま来たらAからご相談を受けて」
「調査対象Aの元彼なんでしょ?前の秘書の男もなんか情けない男だったけど、こいつはこいつで……」
そう言いながらニカちゃんは玉ちゃんの映像を目を凝らして見る。
「一つ目の映像のは金の貸し借りの契約だね。100万だって。利子は何%だろうね。二つ目は名前と住所と電話番号がズラリ。詐欺かセールスか。三つ目のは……これミツじゃない?」
皆でニカちゃんが指差すところを見る。
画面の端の方に確かに人がいる。
「みっくん……?」
「言われてみれば」
「ニカの目がそう言うなら」
みっくんも奥村を追ってるから映っててもおかしくはない。
と思っていたら。
「あら、宮っちとニカもいる」
「俊はA目当て?ニカは俺と同じ目的かな」
「そう。玉に呼ばれて」
「ガヤさんは北やんに連れてこられたのね」
「そうそう」
なんとみっくんがガヤさんを連れて帰ってきた。
この空間にほぼ全員いる感じだ。
「ニカちゃん、千ちゃんは?」
「あいつは留守番。俺だけ行くのはずるいって文句垂れてたけど無視した」
「これミツ?」
玉ちゃんが指差す。
「俺だな。奥村を尾行してたから。それで取引場面の動画です。藤ヶ谷に聞いてもらおうと思って」
「なるほど」
「じゃあ聞いてみるわ」
ガヤさんがみっくんのタブレットを持って目を閉じた。
皆も黙ってしばし待つ。
しばらくしてガヤさんはタブレットをタップした。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年11月22日 15時