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まず奥村は『幸せの街』と繋がりのある人物であることが分かった。
真冬の話から大学生の頃からそうであったことが分かる。
彼は特殊能力持ちかただの足かは今のところ判断しかねる。
私が宮田の人間ということはきっと組織の人間には知られている。
もし奥村がそのことを知って告白してきたとしたら。
なんだかなあと思ってしまう。
でも彼自身の行動であろうことは散見されるから組織の人間にしてはお粗末な気がするのでただの足の可能性が高い。
少なくとも奥村は黒岩くんのお金を奪ってとんずらしている。
これは組織の仕事か単独か。
あんな怪しい金融系の会社をしているということは組織?
でもいくらかは自分のポケットに入れてるかもしれない。
となって見えてくるのは彼なりの打算。
小笹さんが裕福な家庭の生まれであることから近づいたに違いない。
私が彼なら彼女からも何か奪いたいと考える。
結婚詐欺でもするつもりか?
だとしたらこれは警察にも話しとくべき案件だ。
みっくんには事後報告だと思っていたら。
「A、やっぱりいた」
俊くんが現れたのでびっくりしてスマホを落とした。
私服姿ってことは今日は非番。
「えっ俊くん」
俊くんは落としたスマホを拾って私に渡す。
「ん?」
「今連絡しようと思ってて……」
「えっ?ラッキーだね。非番だから横尾さんのコーヒー飲みに行こうと思ったのとAに会いたかったから来たんだけど」
「そうなんだ」
会いたかったって言葉を頭の中でリピートする。
こういう何気ない言葉が私の心をときめかせてるの俊くん知ってるのかな。
「で、何かご相談?」
「実は……」
私はこれまでのことを話した。
「宮っちもいる」
それが終わる頃に玉ちゃんがやって来た。
なんか残念そう。
「宮っちってAの元彼どのくらい知ってる?」
「実家同士が近いところにあるから中高は知ってる。でもその奥村は見たことあるかも。俺とA大学一緒だったから」
「あー同じ学科の子たちがいる中で俊くん声かけてくれたことあったよね」
「あったあった」
「仲良しいとこだこと。で、A昨日の調査の続き。奥村金融をガッツリ調べました。こちら防犯カメラです」
「……何か契約してる?」
スーツ姿の奥村が誰かかと何かを契約してる様子が映し出されていた。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年11月22日 15時