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「明日ここで会うことになった」
「そうなんだ。最終的に奥村くんに接触することになるの？」
「場合によっては」
「気を付けてね」
「Aは強いかもしれないけど、いざというときは本当に気を付けてね」
「うん。ありがとう」
二人は帰っていって私は事務所に入った。
「みっくんどうだった？」
「まずは奥村を尾行してみた。まず仕事が全くの嘘だ。これ、写真」
みっくんが見せてくれた写真は奥村が古そうなビルに入っていく姿だった。
「ここには何があるの？」
「他にも入っていく男がいて、そのうちの一人見たことある気がして自分の記憶を探ったらヒットした」
みっくんはタブレットを操作する。
これはいつぞやの組織の面々と対峙した時に使った写真。
「こんな人いた？」
「西村しか喋ってなかったけどいたわ。だから『幸せの街』関連であることは間違いない」
「奥村ってそっちに大いに関わってるんだな」
「そっちは？」
「真冬が危うく組織のビジネスに引っかかりそうになって。奥村に誘われて。未然に防いだはずなのに怪しい郵便物や電話が来るみたい。後日相談に乗ってあげて」
「大学生相手に勧誘してるんだよな、あいつら。で、足にしてるんだよ。特殊能力持ちじゃなくても」
「悩みを解決してもらったら信じちゃうかもなあ」
「あとは？」
「ネズミ講もしてたとか」
「調べたらやばそう」
「で、明日彼と仲が良かった同級生に話を聞くことになったんだけど」
私はラインの画面を見せる。
「まだ何かありそうだな」
みっくんは唇を尖らせた。
「お二人さん」
玉ちゃんが部屋から出てきた。
「まずは依頼人のデータね。小笹さん裕福そうだよね。お父さんが航空会社のパイロット、お母さんは化粧品メーカーの課長さんだって。小笹さんはアパレルブランド勤務」
確かに彼女の身なりは私が持ってないブランド物でいっぱいだった。
ブランド志向のない私でも知ってるものばかりだった。
「奥村の素性はクロだろうね。父親は工場長、母親はパートの一般家庭育ち。そして勤務先はここ」
玉ちゃんはタブレットでPDFを見せてくれる。
「奥村金融？あいつ金融会社のトップなの？」
「表向きはね。実態はこれから調べていく」
奥村からはきな臭さしか感じない。
何で私この人と付き合ってたの？
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作者名：ユタカ２ | 作成日時：2023年11月22日 15時
