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みっくんが呟くように言った。
「藤ヶ谷に聞き取らせて俺に覚えさせて、他にも目があって。これなら危なくない」
「危ない？」
「あいつは信用してないのよ、警察組織を」
「ちなみに俺もね」
「集落の駐在さんに対しても処世術とかって言ってたなあ」
人好きのしそうな笑顔、柔らかな物腰、それだけでパッと見良い人そうと思われる。
「どこであいつらと繋がってるか分からないからね。慎重にいかないと」
俊くんはホテルのロビーに着いたようだ。
スマホの画面が動く。
「皆の声は聞こえないから詳しくは戻ってから聞く。だから話進めといて」
「了解。じゃあ玉からどうぞ」
私は玉ちゃんとワッターのいる画面を見た。
「Aと宮っちにお願いされてて杉山の家の防犯カメラを調べた。そこから怪しい二人組が浮上した」
「近所の人が見たってやつか」
「そう。事件当日にも2人はやって来て、横に長いダンボールを車に入れる姿が確認できた」
玉ちゃんがタブレットを私たちに見せる。
「この中に杉山が入ってるな」
「二人は闇に紛れて黒づくめの格好だけど顔が映ってた。車のナンバーは警察で調べといて。で、二人組の身元が割り出せた」
またタブレットに情報が更新される。
「猪熊晴香に森和秀……ビンゴだな、藤ヶ谷」
「ああ」
「二人の現在地も分かるか？玉」
「俺の技術なめないでもらえる？現在進行形で追ってる」
「さすが」
「で、その二人何者なの？」
「その前にニカ千賀は報告あるか？」
ニカちゃん千ちゃんの画面に目を移す。
「杉山が東京で住んでたっていう所を二人で回ってみた」
「Aの件があったのって16年前でしょ？だから知ってる人いないかなって思ってたんだけど……」
「杉山が当時住んでたアパートの大家さんに出会えた。基本物静かな人だったけど近所の子供たちに声をかけてる姿が記憶に残ってたって」
「子供……。近所の人たちも言ってたな、杉山は子供好きに見えたって」
「俺と千賀が探れたのはこれだけ。あとはミツとガヤだけだよ」
「俊くんの方に動きがあったよ」
みっくんとガヤさんの報告の前に俊くんの画面に動きがあった。
スピーカーの音量を上げる。
「藤ヶ谷よく聞いといて」
「北山は覚えといて」
私も耳をそばたてる。
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作者名：ユタカ２ | 作成日時：2023年11月22日 15時
