〈File10〉 ページ30
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この前の事件から2週間経った。
私は元気に暮らしてる。
由夏と真冬にあの事件の黒幕は紗知だったと告げたときはたいそう驚かれた。
そして3人で泣いてしまった。
やっぱり友達二人と一気に関係がなくなってしまったことは悲しかった。
2人とは感情の共有が出来て、縁が続きそうだなと勝手ながらに思った。
とにもかくにも私は皆のおかげで変わりなく過ごせてる。
特に俊くんの言葉は前向きになれた。
やっぱり私はこの人が好きだと思った。
というわけで今日も私はまず喫茶店で店員をやっている。
お客様の注文を取ってお客様の飲み物の減り具合を見たりと忙しい。
だけどとある人の来客によってその役割は止まった。
「あの……北斗七星で」
探偵事務所の合言葉をその人を言ったから。
「どうぞ、こちらへ」
私は探偵助手として彼女を案内した。
「みっくん、お客様です」
「グランシャリオ探偵事務所へようこそ。どうぞおかけ下さい」
「はい……」
女性のかけたソファの向かいに座る。
「初めまして。探偵の北山宏光と申します」
「助手の矢作Aです」
「私は……小笹今日子と申します」
小笹さんはペコリと頭を下げた。
「小笹さんは本日はどのような用件で」
「私の交際相手の素行調査をして欲しくて……」
「交際相手の。お名前は?お写真はありますか?」
「はい……」
彼女は写真を見せた。
その写真の男を見て私は驚きそうになった。
「奥村忠大といいます」
やっぱり私の知ってる人だった。
「どうして調査依頼を」
「この彼と結婚を考えてまして、でも私の両親は猛反対するんです。だから彼が何の問題もないことを示していただきたくて。それで友人が紹介してくれたこちらに」
「そうでしたか」
私は小笹さんの心の声が聞こえないかと顔を見る。
残念ながら聞こえなかった。
「分かりました。お調べいたします。ただし望んだ結果にならなくてもこちらでは責任を負いかねますのでご了承下さい」
「……はい」
小笹さんは不満そうな顔をした。
まあ好きな人の悪い話を聞きたくないのは分かる。
「ではその奥村さんについての前情報をお願いします」
「はい……」
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年11月22日 15時