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「Aが迷ってるんだったらこの件から降りて。でもこれだけは言わせて。この前の事件の時、俺は傍にAがいてくれて救われた。その場の感情に流されそうなところを助けてくれたのはAなの。前A言ってたじゃん、Aの身に何かあったとき皆が私を守ってよ、逆に皆がピンチの時は私が守ってあげるって。Aが俺を守ってくれたから、今度は俺がAを守る番。……Aはどうしたい?」
温かい、だけど真っ直ぐ曇りなき瞳が真っ直ぐ注がれる。
私はどうしたい?
そんなの答えは一つじゃん。
「私が傷ついても俊くんが癒してくれるんでしょ?」
「それはもう思う存分。姫の仰せのままに、何でもいたします」
「じゃあまたどこか連れていって」
「かしこまりました。……ってことは?」
「事実を追求する」
私が知りたいのはまぜ望美が死ななければならなかったのか、だ。
実行犯は捕まった。
でもそこに裏で操ってる人がいるとしたら……。
「警察はどこまで掴んでるの?」
「Aは何が聞こえた?」
俊くんは刑事の顔に戻っていた。
多分私もらしくに戻ったかな。
そして二人で意見交換をする。
私の聞こえた声に対する証拠が示される。
「北やんに相談したらお前らに任せるって。どうする?」
「気味悪がられるよな、きっと。……まあ二度と会わないだろうから、いっか」
わざとらしくあっけらかんといった感じに言えば俊くんは目を細めた。
「さすが俺たちの姫様」
私は真相へ向けてまた歩き出す。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年11月22日 15時