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翌日、私たちの出来ることはやったので、あとは県警の連絡待ちと他の皆の調査待ちだった。
俊くんと二人でホテルで待つ。
「俊くんあのさ」
「ん?」
「この事件が終わったら、二人でどこかへ行きたい」
みっくんが私と俊くんで行かせたのはもちろん過去のことがあるんだろうけど皆から早く付き合えと言われてる状況も変えるよう言われている気がする。
でもいきなり告白はまだ怖いからここは着実にいきたい。
「良いね。どこ行く?」
そんな気持ちを俊くんは読まずにラフに答えた。
「んー……夢の国」
「おー、大人になっての夢の国行ったことないね。予定合わせて行こう」
二人で最後に行ったのは俊くんが高校卒業する時だ。
制服夢の国がしたくて今みたいに誘ったんだ。
これで付き合ってないのかって?
残念ながらないんです。
「約束だよ」
「もちろん」
「破ったら針千本飲ますよ」
「Aに言われたら飲めるかも」
「まず針千本用意するのが大変だわ」
冗談を交えながら話していたら、俊くんのスマホが鳴った。
「はい、宮田です。……はい。……はい」
口ぶりから県警の人だろうと考えた。
「では、ホテルのロビーで。はい、よろしくお願いします」
俊くんはスマホを胸ポケットに仕舞う。
「というわけで県警の人と会うことになった。加用さんも来てくれるらしい」
「このホテルのロビーで?私は同席した方がいい?」
「うーん……どの立場の人が来るか分からないから念のためAは遠くから見てもらっていい?」
「遠くから?」
そのとき私と俊くんのスマホが同時にバイブした。
『皆集まれる?』
みっくんからだった。
俊くんは丁度良いやと呟いた。
そして指を動かす。
『俺、これから県警の人と会うんだけどテレビ電話繋げとくから北やんとガヤさん聞いておいて』
確かに丁度良い。
みっくんに直接覚えさせることのメリットはとても大きい。
「私は?」
「一応Aには後ろで証人になってもらおうと思ってたけど大丈夫だ。Aはここで皆と話してて」
「分かった」
画面を見れば全員が応じていた。
「じゃあいってくる」
「いってらっしゃい」
俊くんがかけたテレビ電話。
俊くんの画面からは移動していく様子が映されている。
俊くんのことだからスピーカーはオフにしているだろう。
「まあこれが手っ取り早いよな」
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年11月22日 15時