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その帰り、私は望美と路線が一緒だった。
すると彼女はこう言ってきた。
「A、探偵事務所は自由に行けるの?」
「うち紹介制で少し特殊なんだよね。でも私の紹介だったら大丈夫だよ。どうしたの?」
「その……探偵さんに相談したいことがあって」
望美の心を見ようかなと思ったが、聞こえなかった。
もし聞こえてたらと後に思うことになる。
望美との周波数が合わなかったばかりに。
「じゃあ今連絡してみるね」
私は善は急げとばかりにみっくんに電話する。
思えばこれも良くなかったのかも。
「何だ、A。友達と会ってたんじゃ?」
「その友達の一人から探偵案件が出てきたの」
「なるほどな。今その子いる?」
「いるよ。じゃあ変わるね」
というわけで望美にスマホを渡し、みっくんといくつか話をしてもらう。
「じゃあA、明日の午後2時ということで」
「うん、分かった」
電話を切る。
一本電車をスルーしちゃったけどしょうがない。
次の電車に乗り、彼女との別れ際。
「じゃあ望美、明日ね」
「うん、バイバイ」
守秘義務があるから相談は最後まで分からずじまい聞けずじまいだった。
無理矢理にでも聞けば良かったと後に私はめちゃくちゃ後悔することになる。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年11月22日 15時