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疑問を持ちながら話を合わせる。
まさかこいつって……。
今私が聞き出したかったところは以上かな。
あとは警察でたっぷり吐いてもらおう。
「ところで大丈夫ですか?」
「何がですか?」
後ろの気配を感じ取る。
「女性が一人こんなところにいて」
「そちらこそ大丈夫ですか?私に対しての調査が甘いですけど!」
私は後ろから襲い掛かろうとする男に回し蹴りをしてやった。
男は尻もちをついた。
「は?」
「後ろががら空きなんだよ!」
そして6人で森を押さえ込んだ。
玉ちゃんは遠くから見てる。
私はというと襲ってきた男を押し倒して、その上に座った。
「何すんだ」
「あんたがどこの誰か知らないけどこれ以上下手な真似をしたら逮捕するわよ」
「そうそう。Aを襲おうとした時点で重罪なのに」
「危うく俊くんに針千本用意させるところだったわ。ところで森和秀」
私は女王さながらに腕と足をそれぞれ組んだ。
「ここにいる全員の名前言える?」
「それは……」
6人に押さえ込まれていて森の声はくぐもっている。
「言えるわけないわよね。調査にあたって私と宮田のことしか調べてないんだもの。しかも私のことを探偵と認識してらっしゃる。残念、私は探偵助手です」
「まあ俺としてはAも探偵のつもりなんだけど、まあ肩書は俺の助手なんですよ、森和秀」
「そしてあなたはまるで今回の捜査は私と宮田の2人で行ったみたいな口ぶりですが不正解すぎる。なわけないじゃん。基本警察は民事不介入なのに公僕の宮田と民間人の私だけで行動できるわけないじゃん。あなたぐらいの復讐指南者がこんな手ぬるい調べだなんて……よって導かれる答えは一つ。あなたも操り人形だってこと。ねえ、誰から私と宮田の過去の事件を聞いたの?」
話をしてて思ったのは森はそこまでの人間なのかということだ。
確かに見た目はあれだが、逆に言えば見た目だけを利用してる人がいるかもしれないと話しているうちに考えた。
『幸せの街』と繋がってることも教えてくれたしね。
「そんなの言えるわけないだろ」
「中村明」
俊くんが鋭く言った。
そして人好きのする笑みを浮かべる。
俊くんの本領発揮だ。
「……は」
「おや?その人から聞いてませんでした?僕とAは他人の心の声が聞こえるんですよ」
「…………」
6人に押さえ込まれた森の顔は既に青白かった。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年11月22日 15時