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ニカちゃん千ちゃんのお出ましだ。
これとほぼ同時に車のドアが開いた。
「おう、宮」
「やっほ、ニカ、千ちゃん」
俊くんは自分のスマホを見て。
「A、北やんガヤさん横尾さん玉には説明した感じか」
「うん」
「さっきの動画も送ってくれたのね。じゃあニカと千ちゃんに説明しますと……」
今度は俊くんの説明。
メモを見ながらやっていた。
「この事件単純じゃなさそうだね」
「うん。まだ調べることがたくさんありそうで。そっちはどうなの?」
「こっちは手がかりが薄い。杉山の顔写真を近所の人に見せても知らないって声しかなくて、本当に事件現場は犯人によって選ばれた場所みたい。これから杉山が東京で住んでたところに行く」
「そっか。気を付けてね」
「そっちもね」
ニカちゃん千ちゃんとも話し終えた。
俊くんはネクタイを緩めた。
「で、俊くんそっちの捜査はどうなの?」
「諸々の結果待ちかな。特に包丁は誰の血なのか慎重に調べる必要性があるからね」
「じゃあ今日はこれで終わり?」
「そうだね。ある程度の結果が分かるまで滞在しなきゃな」
「じゃあホテル探しとくよ」
「ありがとう」
私はスマホで素泊まりできるホテルを予約した。
当然2部屋だ。
晩ご飯はホテルの近くの中華料理屋で摂ることにした。
食べながら事件の話をする。
「俊くんはこの事件どう考えてるの?」
「俺は怨恨ゆえだと思ってる」
「じゃあ怪しい二人組の女の人の方が過去に杉山と何かあった?」
「で、男は協力者。男の素性が分かればなあ」
そこは玉ちゃんの調査次第だろう。
「今分かってることで考えると杉山は福岡で誰かを殺したかもしれず、その被害者の身内が復讐を果たすため誰かと協力して杉山を殺した?」
「ストーリーはそれで筋が通るかなあ。遺体が東京にあったのが解せないけど」
「復讐か……」
私はそこまでの気持ちを抱いたことがないから分からない。
でももし俊くんや他の皆に何かあったらきっと許せない気持ちにはなる。
「俊くんはそっちに走らないね」
俊くんの目がそっと私の方を向く。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年11月22日 15時