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「初めまして。安倍桃花と申します。二階堂とは腐れ縁で時々この何でも屋を手伝ってます」
「改めまして矢作Aです」
「いいんですか?矢作さん、探偵と喫茶店の仕事もされてるのに、ここも手伝っていただくなんて」
「どちらも助手的立場なんで。雇い主の許可はもらってるんで。この2人にもお世話になってますし」
「じゃあこちらも説明しますね」
安倍さんから『2s』の説明を受ける。
責任感の強そうな人だと感じた。
(矢作さん人が良さそうで良かった。確かにこれは二人とも彼女の話をするわ)
彼女から好印象を受けたようで良かった。
説明を終えると安倍さんは帰っていった。
「安倍さんとニカちゃんが腐れ縁?」
「うん。家が近い幼馴染で」
「本業は何を?」
「実家の美容院で美容師をしてる」
実家といえど美容師さんはなかなか忙しいはず。
それを手伝ってくれるんだから……これは邪推か。
「言っとくけどそんなんじゃねえから」
「感情見えた?」
「大体な」
千ちゃんの顔を見たらニヤニヤしていた。
なるほど、そういう関係性ですね。
「じゃあAが来たから俺たちも行くか」
「そうだね。A、お留守番お願いね」
「はーい、かしこまりました」
ニカちゃんと千ちゃんも仕事に出かけた。
依頼主のご実家を片付けるらしい。
ちなみに『幸せの街』とは関係がないご依頼だ。
私は安倍さんに説明されたことをこなす。
まずは店の掃除。
それが終わったら顧客情報の整理、次は経理作業。
ぶっちゃけ探偵事務所の時とやってることは変わらない。
ニカちゃんと千ちゃんは何で何でも屋を営むことにしたんだろうな。
二人とも生き辛さゆえの選択なのかな。
視覚が凄いのも嗅覚が鋭いのも気になっちゃうと生き辛いもんね。
みっくんたちは度々ニカ千をセットにしてるけど、二人は確かにどこか似てる。
よく見たら全然違うんだけど。
きっと私には分からない二人のストーリーがあるんだろうと考える。
というわけで私はずっと『2s』で仕事をしていた。
だけど経理作業をしていたとき女性と男性がやって来た。
もしお客さんが来たら応対して欲しいと安倍さんは言っていたので立ち上がる。
「いらっしゃいませ」
「あの、千賀さんと二階堂さんは?」
女性は二人と面識があるようだった。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年8月27日 10時