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「あれ?俊くんは?」
「俊くんは県警の鑑識捜査に立ち会ってる」
「ということは進展あったのね?」
「大アリ。みっくんとガヤさんは福岡でしょ?そこは……ホテル?」
「そう。今日は帰れないから先にホテル取っといた。あっ今はAから連絡があって俺の部屋に藤ヶ谷が来ただけだからな?」
「何も言ってないじゃない」
「そうだそうだ」
ガヤさんが小声で対抗してるのが面白かった。
「で、どうよ、杉山の地元は」
「それがですね……」
私はこれまで見聞きしたことを整理しながら2人に伝えた。
あと先ほど回した動画も投げた。
「なるほどなあ。それこっちの捜査で使えるな」
「と言いますと」
「杉山はAの件で福岡に飛ばされた後、こっちでもやらかしたのか退会して地元に帰ったんだろ。そのやらかしが分かればこの事件が見えてくるだろ」
みっくんは断言口調だった。
「近所の人たちが見たっていう二人組も気になるね。こっちでも何か分からないのか頭に入れておく」
「ありがとう、二人とも」
「じゃあ俺たちはこれで、宮っちによろしく」
「はーい」
みっくんガヤさんとの通話を終える。
これでみっくんの記憶に情報が入った。
しばらくしてワッターからビデオ電話が来た。
映されたのは事務所で玉ちゃんがソファに横たわっていた。
「玉ちゃんお疲れ?」
「ほら玉、お前の癒しのAだよ」
「A!」
玉ちゃんは見事に起き上がった。
「ごめん。さすがに朝からやってて疲れがピークで。今AIが杉山の家の防犯カメラに映ってた怪しい車と2人組を追ってると思う」
「ありがとう。そうそう、その2人組が目撃情報で怪しいと思ってて」
「そういえばグループラインに動画送ってくれた?」
「うん。それ見る前に経緯を説明しておくと……」
ワッターと玉ちゃんにも同様の説明をする。
「今のところその二人組を疑った方がいいね」
「あとこの動画の包丁も気になる」
「玉ちゃん、一休みしたらお願いします。ワッターは玉ちゃんに美味しいご飯を」
「お安い御用。そっちも気を付けてね」
「Aの顔見たから頑張る」
「じゃあね」
ワッター玉ちゃんとの話が終わる。
すると間髪入れずに。
「A、どうした?」
「あれ、宮っちは?」
「俊くんは県警の捜査に立ち会ってる」
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年8月27日 10時