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「私の家そこなんだけど、夜中だと全然車が通らないし、農家の車にしては早すぎるし不思議だと思ったの。ごめんなさい、音を聞いただけで見てなくて」
「いえ、ありがとうございます。で、例の2人組の特徴覚えてたりしますか?」
「男女の組み合わせだったんだけどね。男の人の方はヤクザ感が凄かったわ。女の人は悲壮感がある感じがしたわ」
「付き合ってる感じはしなかった?」
「しないしない。付き合ってるならあなたたちみたいに雰囲気が柔らかいでしょ?でもそうじゃなかった」
いやいや、私たちは付き合ってないけど、ここで否定すると話が別方向へいってしまうからスルーだ。
「ご協力いただきありがとうございました。もしまた思い出したことがありましたら加用さんまでお知らせ下さい」
「はーい」
お姉さまたちは行儀よく返事をされてどこかへ戻っていった。
「宮田さんすごいですね。あの二人がこの集落の口さのない人たちなのに」
「だと思ってました。そういう人たちにはとにかく愛想を振り撒けば損はないですよ。不審な態度を取ってしまうから噂が立てられてしまうんです」
「なるほど、勉強になります」
同じく勉強になりますと呟く。
すると俊くんは商店を見上げた。
「あとはここですね。これまで語られた杉山さんの人物像は外側だけであって中身はありません。それを探るためには入る必要があるのですが……どこか入れる場所はありますかね?」
「ちょっと見てきます」
加用さんが駆けだした。
俊くんの顔は私へ向く。
「A、今のうちに玉に連絡しといて」
「ラジャー」
私はスマホを取り出して。
「もしもし玉ちゃん?」
「A、何?」
「玉ちゃんにとある場所の防犯カメラを調べていただきたく」
「二人今どこ?」
「杉山の家兼店の前」
「了解。住所さえ分かれば調べられるからさ」
「ありがとう。お願いします」
さすがは我らがサイバー担当だと思いながらスマホを仕舞う。
「我がチームって玉ちゃんのサイバー捜査が土台だもんね」
「玉みたいに才能がある人が俺たち側にいることのありがたみね」
「俊くんにも同じこと言えるわ。敵だったらと思うと」
「それはAもね。ああいうふうに正論ぶつけられたり武術を使われたら敵いません」
「お二人って仲良いですよね」
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年8月27日 10時