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「……これがずっとAに隠してたこと。ごめんね？」
「ううん。謝る要素ないってば」
「で、今回の事件の被害者が杉山だったから俺動揺しちゃって。でもAが来てくれて落ち着いた。ありがとう」
「私、俊くんの助けになれてる？」
「いつもなってるよ。いつも近くにいてくれてありがとう」
そう言ってもらえることが本当に嬉しい。
そしてこの人のことが好きだと改めて思った。
「でさ、A。今回の捜査、Aが参加したくないなら参加しなくていいから」
「またそうやって。それ私ファーストのようでそうじゃないから。俊くんはどうしたいの？」
また俊くんの目を真っ直ぐ見て言う。
すると俊くんの口角が少し動く。
「さすが俺たちの男前な姫様。……俺はね、もちろん杉山は許しがたい。かといって殺すのは違うと思うから犯人は全力で探す」
俊くんの目は真っ直ぐ私に向かってる。
それでこそ私の好きな俊くんだと感じた。
「私だって俊くんと一緒。皆で今回の事件解決しよう」
「うん。だね。……あっ北やんとガヤさんだ」
後ろを振り返ってみればみっくんとガヤさんが車の外にいた。
私は俊くんから離れ窓を下げた。
「話し合いは済んだか？いとこども」
「うん、ごめん2人とも」
「謝ってる暇があるなら俺らにもちゃんと話せ。お前は俺たちの心が読めるだろうけど、少なくとも俺はお前の思ってることが全然分かんねえんだから」
「うん。……皆に全部話す」
「じゃあ今日は事務所に戻ってミーティングだな。本格的な捜査は明日からだ」
(ねえ何か発展した？)
俊くんとみっくんのやり取りを見てたらガヤさんの心の声が入ってきた。
(するわけないでしょ)
(くっついてて？)
見ればガヤさんの顔がニタニタしてる。
前から思ってたけどガヤさん他人のラブが好きなタイプだよね。
(Aと俊くんがメインだけどね)
「じゃあA、俺たちは帰るぞ。……って藤ヶ谷と何会話してんの？」
「何でもない。みっくんには関係ない」
「それ何気に傷つくんだけど」
「ガヤさんAに変なこと言わないで」
俊くんは珍しく拗ねたような顔になった。
「さあ俊、俺たちは本庁に戻って今後の方針と各所へ連絡しとこう」
「うん、分かった」
(なんかごまかされた。Aの声は聞こえたんだけどなあ)
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作者名：ユタカ２ | 作成日時：2023年8月27日 10時
