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刑事組の事件の処理が終わってようやく宴会をすることが出来た。
今回は伊坂さんも一緒だ。
「いいんですか?私も」
「もちろんですよ。伊坂さんなしでは今回の事件は解決できませんでしたもん」
あれから友道フィナンシャルには家宅捜索が入り違法性のあるものがたくさん押収され友道も逮捕された。
堀さん一家は自己破産をして再スタートするという。
悪い奴らはいなくなったから心置きなく過ごして欲しい。
解決した次の日、私はニカちゃん千ちゃんに呼ばれてまた『2s』を訪れた。
3人で記憶を頼りに今回のことをまとめた。
「ありがとうA」
「いえいえ。昨日の千ちゃんかっこ良かったよ」
「ありがとう。普段しない立ち回りだったから緊張したんだけど」
「千賀にもああいう一面があるんだなと思った」
相棒のニカちゃんが言うんだから間違いない。
「ずっと疑問に思ってたこと訊いていい?」
「何?」
「2人はどうして何でも屋をやろうと思ったの?」
ニカちゃん千ちゃんはアイコンタクトをした。
「昔からニカとは何か気が合って。ほら、俺たちの力って社会では生き辛いでしょ」
「うん」
「だったら2人で何かを立ち上げようぜってなって。だったら世のためになることしようぜってなって」
「で、何でも屋?」
「うん。俺たち他の皆みたいに頭は使えないから、身体を動かそうってね」
そうして今の『2s』があるってことか。
これまでの仕事の資料をこないだ見たけど、本当に色々な仕事をしていて、二人が真摯にご依頼に向き合ってきた歴史が詰まっていた。
今回のことで私はより2人のことを知れたなと思った。
「千ちゃん」
「ん?」
私は堀さん一家に向けていた彼の表情を思い出していた。
「ご家族にいつか会えるといいね」
「……うん」
こう頷く千ちゃんの背をニカちゃんは優しくポンと叩いた。
「伊坂さんとも進展するといいね」
「ちょっA何言って」
「だな。何年片想いしてんだよって話だし」
「ニカまで」
耳まで赤くなってた千ちゃんを思い出しながら私は宴の席でビールを飲んだ。
千ちゃんって基本可愛いんだよな。
現在千ちゃんは伊坂さんの隣に座って楽しげに話している。
伊坂さんだって千ちゃんのことは悪くは思ってないだろうから一押しあればいけると思うんだけどなあ。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年8月27日 10時