* ページ22
・
「伊坂さんがそう思うなら間違ってない。自分の感覚を信じて胸を張って生きて下さい。俺たちは伊坂さんの感覚を信じます」
「ここだけの話なんですが、私も千賀も他人とは違った感覚がありまして……。生き辛さを感じながらなんとかやってます。こんなこと言うのはおこがましいですけど、私たち貴女の力になれると思います」
「千賀さん、矢作さん……ありがとうございます」
伊坂さんはペコリと頭を下げた。
「こちらこそ話して下さりありがとうございます。ねっ千ちゃん」
「うん」
その後伊坂さんは帰っていって、調査を終えた皆が集まっていく。
そして各々の調査報告。
私も伊坂さんの話と私見を述べた。
こうして我々は一つの考えに辿り着いた。
そして作戦も決めた。
「ニカ、千賀、『2s』に吉田さんを呼んでくれ。伊坂さんも予定が合えば同席してもらって。で、俺とAも行く」
「了解」
というわけで早速作戦の第1段階を翌日の夜決行した。
『2s』に6人が集まった。
吉田さんは実に神妙な面持ちだった。
「これから我々の調査結果を報告したいと思います」
「彼女は今どうしてるんですか」
彼は少し身を乗り出した。
「落ち着いて下さい。まず堀さんの会社は業績が悪化し経営難に陥っていました。正直自転車操業だったかと思います」
「……はい」
「ご存じでしたか?」
「まさかそこまでとは。月々の支払いは滞りなかったですし、社長は気丈に振る舞っていらっしゃってたので……」
「それでは銀行から金を借りられないので堀さんは高利貸しに手を出しました。『友道フィナンシャル』という会社です」
みっくんは時折資料を取り出しながら説明をする。
・
35人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年8月27日 10時