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「俺の記憶データベースにいる男がいた。友道フィナンシャルの社員だ」
「何そのいかにも高い利子吹っ掛けてそうな会社名」
「A、正解。一部では悪名名高い高利貸しだよ」
堀さんの会社は業績が悪化していた。
そんな会社に銀行が金を貸すとは考えづらい。
高利貸しに手を出してしまうのは十分考えられた。
「友道フィナンシャルね」
玉ちゃんがそう言った後ノートパソコンを取りに行って操作する。
「堀さん一家は、従業員たちはどこへ行ったの？」
「そこな。多額の借金を連帯責任ってことにしてどこかで働かせてる？」
「現実的じゃないな。誰かが逃げたり訴えたりしないの？」
「じゃあ既に従業員は無職になってたり転職してる可能性がある？」
「となると……」
最初の依頼が覆ることになる。
「……この事件一から考え直す必要があるな」
みっくんは渋い顔をした。
「俺と俊は吉田さんを調べてみるよ」
「ああ、頼む。俺は友道フィナンシャルを張ってみる」
「俺と千賀は堀さん一家を探れないか動いてみる」
「よろしく」
「私は？」
「Aは伊坂さんと詰めの調整をしてくれ。横尾さんは美味い飯をよろしく」
「了解」
「で、最終確認は今回は千賀だ」
「……分かった」
千ちゃんは力強い目をみっくんに返した。
こうして私たちは今回の件で走り出した。
依頼人に勘付かれないように細心の注意を払わなくては。
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作者名：ユタカ２ | 作成日時：2023年8月27日 10時
