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「思い出しました。千賀さんと二階堂さんがあなたのことを言ってました。新しく仲間になった子がいるって」
「そうでしたか。二人と親しいんですね」
「この何でも屋が出来たときから私は近所に住んでて丁度その時私ストーカーに悩まされてて、アドバイスを下さったのがあの2人なんです」
「そうだったんですか」
こういったことを千ちゃんが言わなかったのは多分配慮だろう。
「それ以来挨拶を交わしたり世間話をしたり。いつか恩返しをしたいなと思ってて」
「そこで吉田さんの件が舞い込んできたってことですね」
まるで私のようと思った。
多分伊坂さんは良い方。
おまけに綺麗な方。
千ちゃんが好意を抱いてもおかしくはない。
「矢作さんはどのようにして探偵事務所に?」
「私は前の職を陰謀に巻き込まれて辞めさせられて。そんなときに、私のいとこが二階堂と千賀の仲間でその伝手で探偵事務所で働くことになって今に至るという感じですね」
「そうなんですね」
そんな他愛のない話をしてたら吉田さんが再び座った。
「おかしいです。僕の知ってる人たちに片っ端に電話をかけたのですが、誰も連絡がつかなくて……」
「……それは妙ですね」
となると企業丸ごとが狙われたことになる。
堀さんは経営者の娘さんだから巻き込まれた?
「A、ただいま」
「ただいま」
暗雲立ち込める中、ニカ千が帰ってきた。
「おかえりなさい」
「伊坂さんもようこそ」
「こんにちは。二階堂さん千賀さん」
「そちらの方が依頼人の?」
「はい。吉田和志と申します」
「何でも屋『2s』の二階堂です」
「千賀です」
「僕たちにも彼女にした話をお願いします」
私は二人に席を譲り、吉田さんは私と同様の話をする。
「これは詳しく調べる必要がありそうですね。A、ミツに連絡して」
「はい」
私はスマホを取り出して。
「みっくん、探偵案件」
「分かった。近くで待機してるからすぐ行くわ」
さすがみっくん。
本当にすぐに来た。
「初めまして。探偵の北山と申します。再三になると思うのですが、僕にも経緯を説明していただきたいです」
みっくんにも吉田さんは話す。
説明してるうちに変わるかもなと思ったがメモと変わらなかった。
吉田さんの心が読めれば良かったけど残念ながら周波数が違うようだ。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年8月27日 10時