ちょっとしたお話２ (ページ41)

今日:5 hit、昨日:5 hit、合計:6,456 hit

＊ページ41

・

みっくんとタッチ交代して今度は『めぐみん』の職場を張る。

私の感覚ではあの女性は30代半ばに見えた。
『めぐみん』という名前はまあ百歩譲るとして、匂わせ行為はいかがなものかと思ってしまう。

匂わせというのは一般的に彼氏を思わせる人を少し映したり、彼氏の私物なんかを映り込ませたりして素敵な彼氏がいるんだとそれを見た人に思わせること。

それに何の意味が？とやっぱり思ってしまう。
それって周りに対しての嫌味にしかならなくない？と思ってしまう。
彼氏が自慢だったらデート中にその彼氏のことを誇ってればいいだけの話だ。
あとは彼氏が特殊な職業だったり、彼女のように不倫関係だったりする人も匂わせたりするから不思議だ。
そんなの誰にも言わずにいたほうが得策だろうに。
あと個人的に匂わせ行為はする人の年齢が高いほど考えた感じがすごい気がする。
30代半ばの匂わせ行為はその感じがして引いてしまう。
まあこれはあくまで私個人の感想です。

みっくんの調べにより、『めぐみん』は永井恵さんだと分かりました。
お住まいは1LDKのマンションでしたので恐らく独身です。
独身の方が不倫の恋って……と色々想像してしまう。

そんなことに考えを巡らせていたらめぐみんが現れました。
同じ会社の方と並んで歩いてる。
時間的に外回りでしょうか。
今日の任務はめぐみんの尾行なのでついていく。

そしてついていった先は昨日訪れた場所だった。
そうです、陽一さんが勤務している会社があるビルです。
でもまあ他の企業ってこともあるしと思い昨日のカフェで待機すること2時間。
めぐみんが一緒にいたのは同僚の方ではなく陽一さんでした。
同僚の方は先に帰られたのだろうか。
そして偶然にも2人は私のいるカウンター席の隣に座ったではありませんか。
ボイスレコーダーのスイッチを押す。

「今日も会えて嬉しかった」

「最優先は恵だから」

「嬉しい。今週末は旅行だしね」

「あまり大きな声で言うなよ」

残念ながら聞こえちゃってますけどね。
これが何の障害のないカップルだったら微笑ましいけど、片方既婚者なんですけどね。

その後も甘い会話は続く。
これ絶対社内で噂になってるよと呆れてしまう。
しばらくして二人は別れ、その様子はウキウキとしたものだった。

脳内お花畑とはまさにこのことだろう。
思わず溜め息が零れる。
するとこんな声が聞こえてきた。

・