グランシャリオ探偵事務所へようこそ ページ37
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さて今日は探偵事務所の仕事です。
ご予約のお客様がいらっしゃるのでその準備をしています。
うちは基本紹介制。
昨日みたいに名刺を渡したり、以前の依頼人からの紹介で連絡をして下されば基本お受けする。
うちの仕事のシェアはそういったお客様が半分、皆からの要請が半分という感じ。
経費はトントンの月もあればマイナスの月もある。
マイナスの時はパトロンである玉ちゃんにみっくんがお頼み申し上げているとか。
事務所のドアが開く。
ワッターが女性を連れてきた。
「A、お客様」
「ようこそ、グランシャリオ探偵事務所へ。どうぞおかけになって下さい。今探偵を呼びますね」
みっくんを呼んで私もいつものようにソファに座り、さあ仕事開始です。
「グランシャリオ探偵事務所へようこそ。探偵の北山宏光です」
「助手の矢作Aです」
「森村由美と申します。よろしくお願いします」
「よろしくお願いします。早速本題に入りますが、ご主人の不倫を調べて欲しいということですね」
今回のご依頼は不倫の調査ということを先に伺っていた。
一般の紹介からだと不倫、浮気の調査が一番多い。
「はい。夫は森村陽一と言うんですけど……」
「お写真はありますか?」
「はい……」
由美さんは証明写真の余りのような写真を見せてくれた。
みっくんはそれを見て覚えてる。
私は写真の写真を撮った。
「いつから疑惑がありますか?」
「1年ほど前から……残業や休日出勤、出張が増えるようになりまして」
「それは典型的ですね」
「はい……。それでスマホのロックを解除して見たんですが……エックスのダイレクトメールでとある女性とやり取りしているのを発見しまして……」
由美さんはそのときの動画を見せてくれた。
旦那さんのアカウントと『めぐみん』という名前のアカウントがあからさまなやり取りをしていた。
「動画で残していただいたのはさすがですね。どなたかのアドバイスでした?」
「はい。友人が不倫されて離婚したのでアドバイスを。その友人はこちらの喫茶店の常連で、こちらのことも知っていて、一度相談してみたらと」
どなただろうなと考える。
わりとご近所さんだったりして。
「森村さんはご主人との関係をどうされたいですか?」
「結果を見て判断したいと思います。とにかく詳しく調べて下さい」
「分かりました。我々も全力で調べたいと思います。つきましては……」
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年7月26日 17時