グランシャリオ探偵事務所へようこそ ページ31
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今日は探偵事務所の仕事がないので喫茶店で働いてます。
ワッターの作るコーヒーや紅茶の香りが店中に充満していて、この空間が私は好きです。
ちなみに『喫茶店グランシャリオ』は定休日は水曜日と土曜日で、営業時間は午前9時から午後0時と午後2時から午後6時になっている。
メインはコーヒーや紅茶などの飲み物で、軽食はワッター次第であったりなかったり。
まあ基本はワッター一人で切り盛りしてるから彼のやりたいようにやってるんだと思います。
そこで私は店員として動いてます。
正直な話前職よりやってることは楽なので私はハッピーに仕事ができている。
「ワッター1番テーブル、ブレンドコーヒーおかわり」
「Aカフェラテを2番テーブルに」
たまに数ヶ月前にいきなり現れた私とワッターの仲を訊かれることがあるんだけど、その都度否定するのが少しめんどい。
ワッターには愛する人がいるのにね。
私はまあ……俊くんが好きだし。
グランシャリオができたのは3年前。
私が来る前までは基本1人で動いてて、たまにみっくんが手伝っていたみたい。
あとどうしても手が欲しいときはニカちゃんや千ちゃん、非番の時の俊くんやガヤさんの力を借りてたんだって。
玉ちゃんはあまり他人と接触できないからしょうがないね。
ちなみにこの喫茶店、席の構成はカウンター席7席、テーブルは4人掛けテーブルが6つ、もちろん1人や2人にも対応できるので最大12になる。
場所が高級住宅街の中にあるので常に満席になるわけじゃないけど、クチコミが良いらしいので閑古鳥が鳴くことはない。
毎月黒字計上はすごいよね。
にしてもこの敷地の土地代、建築費などをポケットマネーで出せる玉ちゃんよ。
そんな玉ちゃんがなんと事務所のドアから出てきた。
「えっ、玉ちゃんお出かけ?」
「そんなびっくりしないでよ。俺だって出かけるときはあるよ。さすがに美容師さんは呼べないからね。あと他に用事があるし」
「大丈夫なの?」
「なぜかその美容師さん男の人なんだけど、平気なんだよね。じゃあいってくる」
「いってらっしゃい」
玉ちゃんを見送ってしばらくしてみっくんも出てきた。
「俺も出かけてくるわ」
「いってらっしゃい」
「ミツ、今日夕飯は?」
「お願い。7時までには帰るから」
「了解」
みっくんの纏う空気感から組織の調査だなと察しながら見送った。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年7月26日 17時