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それから時は流れて私は無事音大に合格した。
宮っちに合格の報告をしたついでに私は相談した。
「あのさ、私告白しようと思うの」
「そうかそうか。もう平気?」
「うん。無事合格できたから、今度は恋愛を力にして頑張りたいなと思う。当たって砕ける」
無事第一関門はクリアできたから私は次のステージはそうしたいと思うようになった。
向こうがどう思ってたかはこのとき分からなかったけど。
「砕けちゃダメだよ。でも応援してる。頑張って」
「はい」
今思えばこの時も宮っちは(以下略)。
そうして私は健永に呼び出されて、告白されて付き合うようになった。
それから数日後の登校日の放課後。
私がピアノを弾き終えて振り向いたら。
「宮っち」
「長浜さん、どうだった?」
「付き合うようになったよ」
「おめでとう」
「ありがとうございます」
生徒の恋愛も応援してくれるなんて大した先生だなと思うと同時に。
「あのさ、宮っちって」
一瞬恋のお節介をしようと思ったけど。
「ん?」
「なんでもない」
美月のことどう思ってる?って訊きたかったけどやめた。
なんとなく答えてくれそうにないと感じたから。
美月が宮っちのことを好きなのは知っていた。
となると宮っちは?と思い観察してみたら、宮っちは基本生徒全般に優しいけれど。
「一ノ瀬さん」
そう呼ぶ声はどこか甘くて、一時二人の仲を怪しむ声が出るくらいに二人は国語科準備室にいて。
宮っちだって絶対美月のこと好きじゃんって思った。
だけどやっぱり宮っち的に教師と生徒の関係は大きかったんだろうね。
今ではラブラブで仲の良い2人だけど、あの当時はすごいヤキモキをしたことはずっと言っておこうかなって思ってる。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年7月26日 17時