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「いらっしゃいま……みっくん、おかえりなさい」
「ただいま。藤ヶ谷来てたのか」
「うん。今日は非番だから」
「ところでミツ、後ろの方は?」
そう、みっくんの後ろにはみっくんと比べたら大柄な人が立たれていた。
「俺の兄弟子の一人、服部知利さん。今日会う約束があったからここに連れてきた」
「初めまして」
服部さんはシュッとされてて7人とはまた違う風貌の方だった。
「服部さん、この人たちは俺の仲間なんだ。あと4人いるんだけど」
「へえ。俺は単独だから羨ましいよ」
「俺たち事務所で話すから横尾さんコーヒーちょうだい。で、Aはそれを持ってきて」
「はい」
「了解です」
こちらですと言ってみっくんは服部さんを連れて事務所に入っていった。
「兄弟子ってことはみっくん誰かに弟子入りしてたの?」
「うん。探偵のところへね」
「へえ」
「ミツの能力って一般社会では使いにくいでしょ。まあ俺たちもだけどさ。そこでミツは自分の能力を生かせるのはどこかって考えた結果、大学卒業後に探偵に弟子入りしたんだよ」
みっくんの能力は記憶能力。
学生時代は特に生きにくそうだよなということは想像に難くない。
「ミツ、今じゃ素を全開にしてるけど、学生時代は大人しく過ごしてたんだよ」
「目立たないために?」
「そう。神童とか言われたら生きにくいじゃん?それにずるいと思われる。公式とか用語とかすぐ覚えられちゃうから」
「そうだよね」
みっくんって初手からフランクで陽の人ってイメージだったけど、そんな過去があったんだなと思いながら、ワッターのコーヒーを事務所に運んだ。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
(可愛らしい方だな。結婚はしてないみたいだな)
早速服部さんの声が聞こえてきた。
少し警戒する。
喫茶店に戻ろうとしたら。
「A、隣に座って」
「あっはい」
みっくんに言われたので隣に座る。
「でさ、ご家族の方が事務所を整理したいらしくて。3年経つし、維持費も馬鹿にならないからって。俺、師匠の一番弟子だったからかご家族が俺に連絡してきてさ。それで仕事の合間に整理し始めたんだけど。宏光、師匠の事件追ってたじゃん?これ参考になるかなと思って持ってきたんだけど」
そう言って服部さんはA5サイズの手帳を出してきた。
「日記?」
みっくんはそれをペラペラめくる。
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真衣 - はじめまして。いとこ同士って結婚出来ないと聞いた記憶があるのですが、出来るんでしょうか?PS昔(1996年頃)、少女漫画雑誌・りぼんでよく似た設定(探偵では無いですが。作者:池野恋先生 おしえて菜花)があったことを思い出しました。 (10月21日 19時) (レス) @page50 id: 29eac809bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年3月15日 15時