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「もう一度言うけど、ここで止めとけば良かったのよ。もっとガッポリもらおうなんて浅はかな。そして私たちに頼んだのも間違いだったね」
「何で見逃してくれないの?」
そんな聖子の言葉には鼻で笑う。
「ご存じだと思うけど、私正義感の固まりだからさ。悪いことしてる奴らは見逃せないのよ。それに自分が絡んでるからなおさらね。で、この人たちも悪は許せない人達だから。……というわけで、あとは別の人から責められてね」
私は踵を返した。
もう後ろは振り返らない。
車に乗り込んだ。
「A、お疲れ様」
「お疲れ」
前の座席の二人がすごく優しげに見てきて泣きそうになるけどグッとこらえる。
「あのビルどうなるんだろうね」
「売りに出されるかね。きっと玉が競合他社の株を売って大儲けするだろうからその金で買ってみるか?」
「で、それを他の人に売ればいいんだね」
「お二人さん会話が怖いですよ」
そこで三人で一頻り笑う。
この人たち好きだなと改めて思う。
「じゃあ帰るか」
「うん」
車は事務所へ向けて発進していった。
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真衣 - はじめまして。いとこ同士って結婚出来ないと聞いた記憶があるのですが、出来るんでしょうか?PS昔(1996年頃)、少女漫画雑誌・りぼんでよく似た設定(探偵では無いですが。作者:池野恋先生 おしえて菜花)があったことを思い出しました。 (10月21日 19時) (レス) @page50 id: 29eac809bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年3月15日 15時