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まずは上層部のネタだけを斉藤さんと聖子に提供した。
依頼人のご依頼にはしっかりお答えするのが我が探偵事務所だ。
「そのネタ、二人はどうするつもり?」
私は聖子の目を見ながら尋ねる。
「弁護士さんに持っていくわ。私伝手があるの」
「へえ」
バッチリ心の声も聞こえた。
そうはさせない。
依頼人の2人からは依頼料をガッツリもらった。
「ねえ、みっくんこのお金って……」
「だな」
「どうする?」
「金に罪はねえ」
そうだね、金に罪はない。
問題はそれを扱う人だ。
本当に金って人を変える。
「これで皆で美味いもん食おうぜ。たまには横尾さん楽させて」
「いいね」
だったら私のもらった法外な退職金も使ってしまおうか。
今よりもっと良い家に住もうか。
事務所に近いところがいいな。
これは適切にもらったお金だと言い聞かせて。
第二段階は玉ちゃんの仕事だ。
私たちが集めたネタを全部ネットに放出する。
SNSに捨てアカウントを作って、まずはそこに載っけて、匿名掲示板にも載せる。
ハッシュタグも忘れない。
あと暴露系のアカウントにもDMを送る。
そうすればたちまち拡散されていくという算段だ。
だって人の不幸は蜜の味だから。
大企業ほど不祥事が出ると日頃のやっかみなのか、やたらと叩く人が出てくるし。
そしてそれが拡散していった頃に玉ちゃんはアカウントを消して痕跡を残さない。
その頃には既にスクショが出回っているから元が消えたことに気付く人は多くない。
それが大騒ぎになっていく頃、最終段階に突入だ。
私はみっくんの運転する車を降りた。
予想通り俊くんも来てくれた。
私は目の前の高層ビルを見上げながら、とある人物に電話をかけた。
「ちょっとA、
「調べたらすぐに分かることなのに、何で転職したって嘘つくんだろうねえ、安田紗弥さん?」
「あっ!」
結局紗弥もクロであった。
どいつもこいつもって話ですよ。
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真衣 - はじめまして。いとこ同士って結婚出来ないと聞いた記憶があるのですが、出来るんでしょうか?PS昔(1996年頃)、少女漫画雑誌・りぼんでよく似た設定(探偵では無いですが。作者:池野恋先生 おしえて菜花)があったことを思い出しました。 (10月21日 19時) (レス) @page50 id: 29eac809bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年3月15日 15時