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北山さんは多分私の力を知っている。
もしかしたら北山さんも何かあるのかも。
そしたら私の力も少しは役に立つのかもしれない。
どっちみち働き口は欲しかった。
やはりここは渡りに船なのだろう。
「いかがですか?うちで働いてみませんか?」
「私でよろしかったらぜひよろしくお願いいたします」
「こちらこそ」
北山さんが手を差し出してきたので握手を交わした。
「A、本気?」
だけど俊くんは心配そうな表情と声色。
「何よ宮っち。水差す気?」
「そうよそうよ」
「俺はAが心配で」
俊くんは私に過保護な所がある。
それがいとことしてなのが複雑なんだけど。
「北やん、Aに変なことさせないでね」
「それはケースバイケースだろ。というか俺もAって呼んでいい?なるべくならフラットな関係でいたいんだよね」
「じゃあ私は……みっくんって呼びますね」
「おう。何でもいいぞ」
みっくんは気さくそうな人柄だと感じた。
職場は明るい方が良いからね。
「じゃあ今この敷地内にいるメンバーを紹介するわ。宮っち、Aは藤ヶ谷のこと知ってんの?」
「うん。何度か会わせたことあるよ。ねっ」
「うん、ガヤさんは知ってる」
ガヤさんこと藤ヶ谷太輔も俊くんと同じ刑事さんで、俊くんのパートナーだから以前からお会いしていた。
「藤ヶ谷もメンバーの一人ね。刑事二人から協力を要請されることもあるし、こっちが依頼することもあるって感じ」
北山さんの話を聞いていたら、先ほど入ったドアから横尾さんが現れた。
「横尾さん。A、ここで働くことになったから」
「いきなり呼び捨てで平気なの?」
「はい、大丈夫です」
「じゃあ俺もそう呼ぼうかな。……えっと横尾渉って言います。ミツ、ここのシステム教えた?」
「教えてなかったわ。うち基本は紹介制でやってるのね。確実に仕事がしたいし、探偵は俺だけだから。だから堂々と看板を掲げるのもおかしいかなと思って、だったら面白くしてやろうと考えてね」
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真衣 - はじめまして。いとこ同士って結婚出来ないと聞いた記憶があるのですが、出来るんでしょうか?PS昔(1996年頃)、少女漫画雑誌・りぼんでよく似た設定(探偵では無いですが。作者:池野恋先生 おしえて菜花)があったことを思い出しました。 (10月21日 19時) (レス) @page50 id: 29eac809bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年3月15日 15時