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あと意外だったのがワッター。
「俺、たまによそのご家庭に料理を作ったり教えたりしてるの。今日久々にご依頼があって、なんとそれが専務の辻野のお宅だった。何度かお邪魔してるから何か探れるかもしれない」
なんと家政夫さんもしていた。
やっぱりただの窓口や毒見係じゃないんだ。
いやそこも十分凄いか。
「A、依頼人の2人どうする?」
「えっ?どうするって?」
「だってその2人、Aの元彼とその彼を奪った女でしょ。そのままでいいの?別れるときAはどういう対応したの?」
「斉藤さんの心の声が聞こえちゃって。で、追及したら認められて。誠実じゃない男は願い下げだからこっちから振ってやった」
「女の方は何か聞こえた?」
「聞こえた。めっちゃ私のこと馬鹿にしてた。私のことを魔女ってあだ名つけてたのは聖子だった。常務のコネで入社して受付嬢やってるくせに」
言ってて思い出した。
彼女常務のコネ入社じゃん。
確か親戚とかで。
「田中聖子ってコネ入社なの?」
「そうだった。……これ関係ありそう?」
「調べる価値あり。斉藤康博はコネ入社?」
「多分実力。K大学を卒業してるし」
「そっちも調べるか」
「玉ちゃんいいの?」
ただでさえ今もたくさん調べてくれたのに。
「俺はネットで調べられるものは調べたいの。その二人のSNSのアカウント知ってる?」
「聖子も斉藤さんもインスタやラインを知ってる」
「そこから入り込めるな」
さすがネットの天才。
二人のインスタやラインのIDを教えたら自分の部屋に戻ってしまった。
私もあのカップルが気になってしまった。
私からも探れないだろうか。
だってこのまま野放しできない理由があるから。
私はラインを開いた。
あんな辞め方だったので誰に連絡しようかと指が迷う。
……いや、いたじゃん。
最後の最後まで、私のお見舞いまでしてくれた同期が。
私はその同期、安田紗弥に電話をかけた。
「えっ、久しぶり、Aじゃん」
「うん。久しぶり。今平気?」
「平気平気。だって私あれからあそこ辞めて、今は別の所で働いてるから。Aこそ元気にしてたの?」
彼女はこんな感じでさっぱりとした人で表裏のない感じだから付き合いやすかった。
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真衣 - はじめまして。いとこ同士って結婚出来ないと聞いた記憶があるのですが、出来るんでしょうか?PS昔(1996年頃)、少女漫画雑誌・りぼんでよく似た設定(探偵では無いですが。作者:池野恋先生 おしえて菜花)があったことを思い出しました。 (10月21日 19時) (レス) @page50 id: 29eac809bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年3月15日 15時