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「私のこともお見通しですもんね」



「それはないよ」



「ありますって。先生が察してくれたり先回りしてくれたから助かったことたくさんありましたもん」



だって君の本心は分からないから。
というか他人の心なんて分かったつもりでいることの方が多いと思う。
なんとか考えを巡らせて、なんとか歩み寄れてるという表現の方が近い気がする。
一番良くないのは上っ面だけで判断して邪推することだ。



「Aちゃんは今俺が何考えてるか分かる?」



なのにこんな質問をしてしまうのは君に近づいて欲しいからなのを許して欲しい。



「えー……こうですか?」



Aちゃんが横から抱きついてくる。



「当たり」



そう言ってキスをしてイチャイチャを補給。
最近微妙に足りなかったんだなと気付く。



海を散策した後は少し車を走らせてガイドブックに載っていたお寿司屋さんへ。
新鮮な海の幸を堪能した。



その後は今夜泊まる宿へ向かう。
海から山へ、なので景色が変わっていく。



「昨日からぜいたく三昧です」



「Aちゃんの20歳の誕生日なんですから、盛大にやるに決まってるでしょ」



「私、先生の誕生日に時計とディナーしかプレゼントしてない」



「Aちゃんがお祝いしてくれるだけで十分すぎるぐらいだから。それにそれぞれの家に行ってくれたときの家事の大半はAちゃんがしてるじゃない。気持ちは十分受け取ってます」



「それとこれとは……」



そう言って唇を尖らすAちゃんが可愛いなと運転席からチラ見する。



俺がそうしたいだけなんだからいいんだよ。
誰かと比べるなんて考えずに、ただただAちゃんをお祝いしたいだけ。
それで俺はとても満たされるんだから。



今日の宿は文豪も泊まっていたことでも有名な温泉地にある。
昔ながらの温泉地を車でゆっくり進んでいるうちに宿に着いた。



「先生」



「ん?」



「ここおいくらですか?」



「主役が気にしなくてよし」



そりゃ街のビジネスホテルとかに比べたら高いかもだけど、それで破綻するような生活はしていないので安心して欲しい。
俺、ギャンブルはしないし、趣味もあるっちゃあるレベルだから貯金はできているしね。



旅館にチェックインをし部屋に案内される。
部屋はモダンな和室という感じで寝具は布団じゃなくてベッドになっている。
2人でも十分すぎるぐらいの大きさのベッドが一つ。



俺は少し唾を飲み込んだ。



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設定タグ:Kis-My-Ft2 , キスマイ   
作品ジャンル:タレント
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年2月23日 15時

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