* ページ13
・
「俺はAしか見てないから。Aも俺だけ見てて欲しいな」
「もちろん。私は俊哉さんにしか興味ないです」
―――先生に恋の魔法をかけられてから解けないんです。
―――その魔法の解き方は分からないや。出来ることならその魔法を解かないままでいて。
いつしかかかった恋の魔法は日々強くなっていって、もう永久に解ける気がしないから、君も解かないままでいて欲しい。
同様のことを君が思っていたら、つまりはお互い様で、イコール一緒に歩いていけるってことだよね。
そしてこの気持ちのままいけば、俺のささやかな希望も叶えられるよね。
これで不安が完全になくなったわけじゃないけど、色々満足した俺は起き上がって、彼女に手を差し伸べる。
「朝風呂に参りましょうか?お姫様」
「はい、王子様」
彼女の手が俺の手に重なった。
俺たちの物語はまだまだ序章。
このまま幸せに暮らしていって、本当の意味でのめでたしめでたしで終わるまでの道はきっと果てしないけど、君と一緒ならきっと。
俺は今本当に幸せ。
そう思いながら俺は起き上がったAちゃんを抱きしめて、キスをした―――。
END
・
33人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユタカ2 | 作成日時:2023年2月23日 15時