Hedera (ページ10)

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「ちょっ、何言って」

「高校の時からなんとなく思ってたけど違う？」

「…………」

俺はまたしても何も言えなかった。

「俺はかんなだけど、美月を守りたくなる気持ちは分かるよ。タマも宮っちも結局はそうだもんね」

こういうときの千賀は怖い。
仲間内のことをよく見てるから大体見透かしてる、
だから彼に隠し事はしない方が良い。

「ニカのことだからタマの気持ちを察して身を引いて、美月の想いを知って完全に諦めたって感じ？」

本当に俺のことを分かりすぎててマジで怖い。

「……というか何で今それ言うの？」

「美月が過去になってるから」

「…………」

ふと窓の外を見れば家に近い景色でもうすぐ家に着くことが分かる。

「ニカの頭の中にいるのは誰？」

「……千賀でも言わない」

車にブレーキがかかる。
家に到着した。

「じゃあね、ニカ」

「またな」

運転手さんにもお礼を言って車から降りる。

いくら頭が下がらなくても言えるわけないじゃん。
だって人の物を欲しいと思っちゃいけないんだから。

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