検索窓
今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:8,172 hit

39 ページ39





2限が終わり、食堂へ行こうとしたところ祐子がついてきた。



「一緒にいいでしょ」



「うん、いいよ」



別に断る理由がないから一緒に行く。
Aちゃんが働いてるのが見えたけど、祐子と一緒だから声がかけづらい。



向かい合ってお昼を食べてたら祐子が睨むように俺を見た。



「ねえ、ニカってあの人のことが好きなの?」



「あの人?Aちゃん?」



「そう」



「…………」



祐子に言う必要があるだろうかと考えながら、味噌汁のわかめを箸で取る。
だけど俺はある方に舵を切る。
ある意味牽制だ。



「……好きだね」



「あの人既婚者って言ってなかった?」



「言ったよ」



「不倫は駄目じゃん」



「そんなの分かり切ってるよ」



散々言われてきたことだからもう響かない。
淡々と答えていく。



「別にどうにかなりたいわけじゃないから。祐子には分からないかもしれないけど、俺はあの人の弟として接して、あの人を笑顔にさせたいの」



「そんなの上手くいく?」



「上手くいかせるんだよ」



少し語気を強める。
これで少し自分の環境が変わることを祈って。



「だからもうあれこれ言わないで」



「……あっそ」



これで祐子は諦めてくれるだろうと俺はこの時甘く考えていた。



その日の帰り、外は雨が降っていた。



今日はAちゃんと帰れる日。
今日はAちゃんは傘を持っていたので相合傘ではない。



「最近天気悪いね」



「梅雨だからしょうがないよ。ここんところ部屋干しが続くね」



「母ちゃん嘆いてた。部屋干しじゃやっぱり匂いが気になるみたい」



「私も。対策の洗剤使ってるんだけどね」



雨は結構降っていて、雨が傘にぶつかる音が響く。
Aちゃんとの会話も普段より大きい音量で話してる。



「それにしてもじめじめしてて蒸す」



俺はパーカーの袖を捲る。
この時期は湿度が高いけど、半袖になるには少し早い気がするんだよね。



「だね」



そういうAちゃんはぶかぶかのパーカーの袖がそのままだった。



「Aちゃん暑くない?」



「平気平気」



俺はなんだかそこに妙な違和感を持った。
第六感としか言えないんだけど。



40→←38



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
58人がお気に入り
設定タグ:二階堂高嗣 , Kis-My-Ft2 , キスマイ   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ユタカ2 | 作成日時:2022年9月25日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。