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「宮田が一ノ瀬在学中の時に取った行動が一番自分を保てるんじゃね?」
キタヤンが俺の皿にサムギョプサルを置いた。
「俺の?」
「あの時はじれったいと思ってたけど、お前は教師として一ノ瀬が高校生活を楽しく過ごせるようにしてたじゃん。で、卒業してから男として行動したじゃん」
「うん。まあ」
俺はサムギョプサルを食べる。
「細かい情報がないから何ともなんだけど。二階堂の人間性は宮田から見てどうよ。ただの横恋慕ではないだろ?」
美月ちゃんの仲間たちは優しさの固まりだ。
ニカもタマも千ちゃんも皆良い男。
そんな男だからただの興味本位ではないだろう。
方向性としてはタマと同じなはず。
「うん。ニカは良い男だから」
「となると恋愛感情はまずは底に沈めてもそれ以外の目的を果たすことがよろしくない恋愛感情の対処法じゃないかねえ」
キタヤンの言葉が腑に落ちる。
それが一番だ。
というかもはやそれしかなくないか?
横尾さんとガヤさんを見たら2人も納得しているようだった。
「それしかないな。今出来る最善のことって」
「俺も文乃が卒業するまではその時自分に出来ることを精一杯やってたな」
「まあこれが今の俺たちの結論かね。一ノ瀬に伝えといて」
「ありがとう、皆」
あれよあれよと4人で話すことになっちゃって、やがて一つの結論に辿り着く。
基本的な価値観が似てるからできることだよね。
俺は良い先輩に恵まれている。
本題が終わったら俺たちは焼肉に集中した。
久々に結構飲んで、食べたりしたので翌日の午後まで引きずった。
その午後、美月ちゃんが俺の家にやって来た。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2022年9月25日 10時