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「千賀から聞いた?」
「健永はニカに対しては少し違うからねえ。あっニカもか」
「ニカ千は中学からだもんね。……というか何それ初耳」
「ニカが偶然初恋の人と再会したって話よ」
「タマみたいなこと起きたんだね」
「タマは結果的にって感じだけど」
俺は5人に対して話していないことはあるけど秘密は作っていない。
だけど俺の初恋が広まるのは恥ずかしい。
「でも不倫は良くないよ」
「その人既婚者なの?」
「でしょ?ニカ」
「……うん」
事実だから認めるしかない。
そしてバレてしまっている想いも事実だからしょうがない。
「既婚者かあ」
「既婚者ねえ」
二人が呟くように言う。
もう追い打ちをかけるのはやめて欲しかった。
「まあ不倫は駄目だよね」
「大人しくしときなよ、ニカ」
「……分かってるってば」
仲間たちは皆不倫は駄目、良くないと言う。
そんなことはとうに分かり切っている。
だけどAちゃんを好きな気持ちも止められないわけで。
どこに行っても八方塞がり。
俺はどこにも行けない、中途半端、宙ぶらりん。
俺はとんでもなく息苦しさを覚えた。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2022年9月25日 10時