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「ここじゃ何か買わないの?」
「そうですね……」
試しにキョロキョロ見渡す。
北山先生は男子チームと攻防を繰り広げているようだ。
そしてピンとくるものを見つけた。
星の砂と書かれている小瓶のキーホルダーを手に取る。
「有名だよね。それ」
「買ってきます」
「即決だね。いってらっしゃい」
というわけで私は紫色の砂と星の砂が入ったキーホルダーを購入した。
宮田先生からもらったがま口はバッグに付けられたから一緒に付けるといいかも。
「おかえりなさい」
レジから先生の所に戻る。
「先生は買われないんですか?」
「職員室に配るものは学年主任の先生が買って下さるし。あとで割り勘で払うんだけどね。個人的で買うときっと持て余すし、沖縄は君たちと過ごして十分楽しめたよ」
多分このときの宮田先生の笑顔は沖縄の太陽よりも眩しかった。
「だから一ノ瀬さんは何も気にしなくて良し」
いつもくれる優しさや気遣いが私にとって嬉しいのだと気付いた。
「宮田、一ノ瀬」
北山先生が私たちを呼ぶ。
どうやら皆に奢ったらしい。
「じゃあ俺たちは先に空港行ってるからお前たち遅れるなよ」
「はーい」
「皆後でね」
「ありがとうキタヤン」
「買ってやったの粗末にすんじゃねえよ」
「はーい」
北山先生と宮田先生は空港に向かっていった。
こうして3泊4日の修学旅行は終わった。
勉強も出来て良い思い出を作れた、大いに楽しかった修学旅行だった。
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作者名:ユタカ2 x他1人 | 作成日時:2021年7月6日 11時