健永ストーリー 10 ページ10
Aちゃんはしばらく涼太くんの相手をしていたが、遊び疲れたであろう涼太くんが真一さんの腕の中で舟をこぎ始めたのをきっかけに、俺のところに戻ってきた。
「ごめんね千ちゃん。せっかく落ち着いて俳句作ろうとしてるのに騒がしくて」
申し訳なさそうにAちゃんが言う。
「いや、全然。涼太くん、ずいぶんAちゃんになついてるんだね」
たった5歳の子供にまで嫉妬してしまいそうになったことはナイショだ。
「涼ちゃん、真一さんと2人暮らしだし、マスターの奥さんも他界されてるから、一緒に遊んでくれる女の人がいないんだよね。だから私と仲良くしてくれてるんじゃないかな」
「そっか…」
空いているソファ席に寝かされた涼太くんの寝顔に視線を移すと、偶然真一さんと目が合った。
とっさに軽く頭を下げると、真一さんはだいぶ年下の俺にも丁寧に会釈を返してくれた。
「真一さんも、いい人そうだね」
「うん、すごくいい人だよ。私がバイトしてた頃は、よく涼ちゃんと真一さんと3人でご飯行ったりしてたんだよね。真一さん、お仕事大変そうだけど涼ちゃんの面倒もすごくよく見てるし、優しいしね」
「ふ〜ん」
いくらいい人だって、好きな人が他の男を褒めまくるのはやっぱりいい気はしない。
俺はAちゃんの話を聞き流すように、俳句の資料に意識を戻す。
“喫茶近藤”のレトロな雰囲気と静かな空間のおかげで俺は何とか俳句を作り終えた。
それを機に、俺とAちゃんは店を後にした。
Aちゃんはぐっすり眠る涼太くんの寝顔をしばらく見つめると、後ろ髪を引かれるように何度も振り返りながら店を出ると車に乗り込んだ。
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SaYaKa(プロフ) - ♪パープルブルー♪さん» コメントありがとうございます!千ちゃんの性格をイメージしながら書いてみました!気に入ってもらえて嬉しいです!! (2017年8月28日 20時) (レス) id: 81f34fd2ba (このIDを非表示/違反報告)
♪パープルブルー♪(プロフ) - このお話好きになりました!!宮城のライブの次の日に見たんですが、千賀担なのでとってもうれしかったです。想像ができていいですね♪性格そっくりかも(´∀`*)ウフフ (2017年8月28日 14時) (レス) id: 9a2bc817d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SaYaKa | 作成日時:2017年5月23日 18時