健永ストーリー 19 ページ19
いよいよ今年も、ライブツアーの幕が上がった。
私がこの仕事を始めて初めてのツアー。
さすがに直前ともなると、舞台裏はバタバタするし、まだ構成も完ぺきとは言えないので、メンバーもギリギリまでお互いに確認をしあったり、振付の確認をしたりしている。
(舞台裏ってこんなに緊迫してるんだ〜。私、初めてのライブでミスしたらどうしよう…)
私は1人不安に駆られ、何度もライブのタイムスケジュール表を確認する。
「Aちゃん!大丈夫?」
声がして振り返ると、本番の準備を整えた千ちゃんがいた。
「千ちゃん…うん、大丈夫。ちょっと緊張してきちゃっただけ」
告白を受けて以来、私は何となく今までのように気軽に話すことができず、千ちゃんの目を見ることができないまま答える。
そんな私に、千ちゃんは目をそらさずいつも通りの笑顔を向けた。
「Aちゃんにとっては初めてのツアーだもんね。緊張するのも無理ないよ。でも大丈夫!Aちゃんは今まで本当によく頑張ってくれてたし、絶対大丈夫だから」
千ちゃんのその真っすぐな言葉に、私は心がスッと軽くなり、落ち着くことができた。
「ありがとう、千ちゃん。おかげで緊張が和らいだよ」
「そっか、よかった。じゃあ俺スタンバイ行くね!」
そう言ってメンバーの元へと走って行く千ちゃんの背中を見ながら、私は1人考えていた。
いつだって言葉に嘘がなくて正直で、素直。
自分のことより私のことをいつも心配してくれて気にかけてくれる。
千ちゃんといるだけで楽しいし、話しているといつの間にか笑顔になれる。
私がいつもそばにいたいと思える人は・・・・・・
『千ちゃんのことが、好き』
こんな簡単なことに気づくのに、どれだけの時間がかかったんだろう。
私はある決意を胸に、仕事へと意識を戻した。
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SaYaKa(プロフ) - ♪パープルブルー♪さん» コメントありがとうございます!千ちゃんの性格をイメージしながら書いてみました!気に入ってもらえて嬉しいです!! (2017年8月28日 20時) (レス) id: 81f34fd2ba (このIDを非表示/違反報告)
♪パープルブルー♪(プロフ) - このお話好きになりました!!宮城のライブの次の日に見たんですが、千賀担なのでとってもうれしかったです。想像ができていいですね♪性格そっくりかも(´∀`*)ウフフ (2017年8月28日 14時) (レス) id: 9a2bc817d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SaYaKa | 作成日時:2017年5月23日 18時