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健永ストーリー 17 ページ17

「A?お〜い!A!」

誰かに呼ばれる声がしてふと我に返ると、私はステージの上にいた。

(そうだ…今日はツアー初日。リハーサル直前だった…)

ステージ上では他にも大勢のスタッフが息つく間もなく働いていた。

声のした方を振り返ると、北山さんが怪訝そうな顔でこちらを見ていた。

「あ、すみません。何か?」

「何か?…じゃねえよ!さっきから呼んでんのにうわの空で前々聞こえてねぇみたいだしさぁ」

「すみません…」

(またやってしまった…)

私は慌てて頭を下げる。

実はここ数日ずっとこんな調子だ。

真一さんからの告白と千ちゃんからの告白。
あまりにも突然のことで、頭の中はパニック状態。
自分でもどうしたらいいのか分からなくなっていた。

「もしかしてA、千賀のこと考えてる?」

「え!!!?」

以前から北山さんの観察眼は鋭いと思っていたけど、もしかしたら心の中を読めるエスパーなのかもしれない。

私はいぶかしげに北山さんを見つめ返す。

「何だよ。“心の中読まないで”って顔だな」

そう言われて私は驚きのあまり固まってしまった。

「本当に心が読めるんですか?」

思わず聞き返して北山さんに爆笑されてしまった。

「Aも千賀も思ってることが顔に出すぎなんだよ。ホント、お前らよく似てるよ」

「私と千ちゃんが似てる?」

そう言えばこの間千ちゃんも同じことを言っていたなと思いだす。

「舞台装置のチェック中で今なら少し時間あるから、聞いてやってもいいぜ?」

北山さんが右の口角だけ上げてニヤッと笑う。

「自分でもどうしたらいいのか分からないんです…」

私は真一さんや涼ちゃん、そして千ちゃんのことを北山さんに話した。

北山さんは終始腕組みをしたまま、時折「それで?」とか「そっか」と相槌を打ちながら私の話を聞いていた。

「Aはその涼太って子がかわいそうだから、真一って人と一緒になろうと思ってんの?」

私が話し終わると、北山さんは私の顔を見ずにどこか遠くを見つめたまま聞いた。

「そうかもしれません…」

私が答えると、北山さんは今度は私の顔をしっかりと見ながら言った。

「だとしたら、それはお前のエゴだ」

予想もしないセリフに、私は言葉を失った。

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SaYaKa(プロフ) - ♪パープルブルー♪さん» コメントありがとうございます!千ちゃんの性格をイメージしながら書いてみました!気に入ってもらえて嬉しいです!! (2017年8月28日 20時) (レス) id: 81f34fd2ba (このIDを非表示/違反報告)
♪パープルブルー♪(プロフ) - このお話好きになりました!!宮城のライブの次の日に見たんですが、千賀担なのでとってもうれしかったです。想像ができていいですね♪性格そっくりかも(´∀`*)ウフフ (2017年8月28日 14時) (レス) id: 9a2bc817d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SaYaKa | 作成日時:2017年5月23日 18時

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