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健永ストーリー 16 ページ16

「涼ちゃんはずっと楽しそうで、見てる私も本当に嬉しくなっちゃったんだ。あ〜家族っていいな〜って素直に思った。そしたら、真一さんからね、結婚を前提に付き合ってほしい、って言われたんだ」

やはり、嫌な予感は的中してしまった。

俺がぐずぐず悩んでいる間に、真一さんに先を越されてしまったんだ。

「それで…Aちゃんは何て返事したの?」

恐る恐る尋ねると、Aちゃんは少し困ったような笑顔になった。

「そんなすぐに答えは出ないからね…。考えさせてほしいって伝えたよ」

「そっか…。もしかしてAちゃん、真一さんと結婚、本気で考えてる?」

訊くと、Aちゃんはしばらく考え込んだ後答えた。

「…考えてる。涼ちゃんのことを考えるとね。こんな私ででも、必要としてくれる人がいるなら、その思いに応えるのも、アリかなって」

「Aちゃん、俺、Aちゃんのことが好き」

俺は思わずそう言っていた。

「え!?」

Aちゃんが驚いた声を出して俺の顔を見る。

「ずっと考えてたんだ。俺は何でAちゃんのこと好きになったんだろうって。もちろん、Aちゃんの好きなところはいっぱいあるんだけど、どっか俺と似てるんだよね。自分のことより周りのことを先に考えちゃうところとか」

俺の話をAちゃんは黙って聞いている。

「俺も、6つも年下でこんな子供っぽい俺じゃAちゃんには釣り合わないって思ってたし、Aちゃんにはもっとふさわしい男がいるんじゃないかって思ってずっと好きだって言えなかった。でも、この間ミツに言われたんだ。大切なのはお前の気持ちなんじゃないのか、って。確かにそうだなって思った。俺、Aちゃんを好きな気持ちは誰にも負けないと思う、絶対。だから、Aちゃんもちゃんと自分の気持ち大事にしてほしい。涼太くんの為とかじゃなくて、Aちゃん自身の為にどうするか決めて欲しい」

「千ちゃん…」

手を伸ばせばAちゃんに届く距離まで、俺はゆっくりと近づいた。

「そして、できれば俺を選んでほしい。絶対大切にするから」

本気だってことを分かってほしくて、俺の決意を感じて欲しくて、俺は噛みしめるようにそう言うと、楽屋を出た。

後ろ手に扉を閉めると、そこにはいつからいたのか、ミツが立っていた。

「ミツ…。いつからそこにいたの?」

俺の問いには答えず、ミツはただ黙って俺の肩に手を置くと楽屋へと入って行った。

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SaYaKa(プロフ) - ♪パープルブルー♪さん» コメントありがとうございます!千ちゃんの性格をイメージしながら書いてみました!気に入ってもらえて嬉しいです!! (2017年8月28日 20時) (レス) id: 81f34fd2ba (このIDを非表示/違反報告)
♪パープルブルー♪(プロフ) - このお話好きになりました!!宮城のライブの次の日に見たんですが、千賀担なのでとってもうれしかったです。想像ができていいですね♪性格そっくりかも(´∀`*)ウフフ (2017年8月28日 14時) (レス) id: 9a2bc817d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SaYaKa | 作成日時:2017年5月23日 18時

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